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記事No 6351
タイトル Re^2: レスその2 クラッチインとクラッチミート
投稿日 : 2011/11/22(Tue) 22:37:07
投稿者 ねぎのリーダー@管理人
参照先 http://www.neginoleader.com


さてさて続きになります。


> そして質問ですが、
> 今回ドライブ側での考えられる事柄はひと通り試してみましたが
> ドリブン側にクレアカムを使用している場合、ベルトかかり径に影響するものでしょうか?

さてさてここからはご質問の件ですが、クレアカム、すなわちノーマルではない
ドリブンユニット構成の場合、と言う事ですね。

これ、物によってはベルトかかり径には多少影響がある場合もあります。
が、それは上記の通り、気にしてもしょうがないLVになりますし、私も何十個も
ドリブンやらトルクカム等を計測してみた事も過去にありますが、製造誤差や
皿の角度のつき始め等の違い等に関しては、いくら人間で測ってもそれを生かせる
LVまで到達出来ず、実測を元にして補正を入れる、といった事でカバーするしか
無いというに結論づいています。

これが仮に、一応の同寸のTodayのドリブン皿を使った、とかであれば多少の差が
あったりもしますが、実際に運用するのであれば何が違うかを自分で判断出来ないと、
こういう誤差の範囲の調整という物は出来ませんから。

なお着眼点は素敵なので、実際にそのパーツ違いにて差が出るかどうかも測ってみると
面白いかと思いますよ〜
もちろん、これが段差が付く位に表面が減っているとかの物であればそういった点にも
差異は出てきて当然ですが(笑


> もうひとつの質問です、ちょっと基本的すぎますが(汗
> 駆動系セッティングとしてまずはクラッチのスプリングを強化するなり、クラッチ自体を軽量化して
> インとミートをパワーバンド内に入れ、ミートと同時か少し上の回転域に変速ポイントを設ける物と
> 理解しておりますが考え方として間違いはありますでしょうか?
> どうもミートしている回転数と言うか状態が掴み辛く思えるので・・・

次にクラッチイン、クラッチミートですが…
コレは別に基本的過ぎる、と言う事も無いかと思いますよ(汗
ここいらへんは本来はとっても難しいんですが、あまりに簡単に説明しすぎている
きらいがあるのが世の中ってモンだと私は考えてますんで。

ではまた細かくなりますが、ちょっとずつ突っ込みをば。


>インとミートをパワーバンド内に入れ

まず、クラッチミートはパワーバンドに入れるのが当然としても、クラッチインは
エンジンの仕様によってはパワーバンド内に入れる事は不可能な場合も多いです。

メインのパワーバンドの直前には谷があるので、クラッチインはその谷には絶対に
合わせてはいけませんが、これは仮にそれで発進出来たとしても、その後の半クラ
シフトアップにより、ほぼ確実にオーバーレブ域まで達した後にクラッチミートして
しまいますしね。


分かりやすく高回転型のエンジンを例に出しますが、私のSS用Gダッシュなんかは
9000〜10000rpm辺りに谷があり、メインのパワーバンドはそこから上なんですよ。

とはいえ、10000rpmオーバーから始まって13500rpm程度まではある程度のパワーの
出るパワーバンドを維持出来るのでそこそこ広めですが…その反面谷はものすごく、
クラッチインを9000rpm近辺にするともはや真っ当に発進出来ないです。

実際の運用ではクラッチインは9000rpmもは行きませんし8500rpm程度を狙いますが、
これはボスワッシャー長を変更したりすると途端に変化するので、この辺は乗り方やら
アクセルの開け方でコントロールしていますね。
なおクラッチミートはおおむねですが11500〜12000rpm程度になります。


が、その「谷の前」の回転域は、パワーバンド内には及ばなくともそこそこのパワーは
出ていないとおかしいのが2stエンジンなので、SAクラスのSSマシンの様な
超ピーキー特性でもない限り、パワーバンド意外ではまともに発進出来ないLVに
なる、という事は通常の車両ではまずありえません。

厳密に言えば、クラッチイン回転数をパワーバンド内に入れられない事も多く、
ノーマルマフラー仕様の様なパワーバンドが広く、なおかつ谷も小さく谷の前の
回転域も結構力強いといった仕様であれば、はっきり言ってあまり気にする事も
無い部分だったりもしますが…

これは表現的に、ですが小排気量のピーキーエンジンではそういうのは無理といった
意味合いでして、可能であればクラッチイン回転数は谷に被らないギリギリの高い地点に
セットしておいた方が良く、それ以下ではパワーの無駄遣いになるだけ、とは言えますね。


これも変速回転数と同じで、クラッチインがそれなりに高い所にセットされていた場合
鋭く発進「したくない」のであれば発進時にアクセルを大きく開けなければ良いだけの
話ですし。
どかんと飛び出すのが分かっていて大きく開けるなんてただの馬鹿です(笑

クラッチイン回転数というのは基本的に駆動系依存で変化させる事は難しいですが、
一気にクラッチイン回転までエンジン回転数を持って行くのとそうでない場合では
発進具合に差があるというのは当然ですしね。
…理由はちとややこしいので今回は割愛します(汗


なおクラッチインした直後にがばっと開ければ変速回転数自体は全開加速時と同じに
なりますから、発進直後の加速力に問題が出る訳でもありません。

…なので、「全開フルパワー時に最高効率のセット」をしておくのは一応の基本に
なりますが、かといって常に全力全開で走らなければならない、なんて不可思議な
レギュレーションはどこにもありませんので(笑



>ミートと同時か少し上の回転域に変速ポイントを設ける物

こちらはですね、基本としてまずはWRの調整である程度正常な変速回転数を最初に
セットし、自分のエンジンのピークパワーも見極められているのを大前提とします。

これが出来た上で、次に発進時のセットを行うのが基本であり、まずは最初に
何が何でもどかんと発進しなければならない、といった方向性は大間違いになりますね。
発進のセットなんて後回しで良く、そこばっかり気にしていた方がミスが多いです。

なので、WRと変速回転数が無理のない所にセットされていれば、おのずとクラッチインの
回転数も変速回転数よりはそれなりに下になりますし、かといってノーマルセットの様な
極低回転にもならなかったりしますよ。

ちゃんとパワーを出して発進出来、なおかつムラなくミートして加速出来るポイントと
いうのは、こういった流れを行っていけばそうそう極端におかしな事になったりは
しない物ですから、そこをちゃんとセット出来る人ならクラッチインも半分位は自動的に
決まってくる、とも言えます。


金ちゃんさんの車両だとピークはおおむね9000rpm程度にありそうですが、それならば
ライブDioのノーマルマフラー特性を加味しても、クラッチインはよくて6000rpm前後が
上限でしょうね。

谷は感じづらいかもしれませんが、おそらくは6000〜7000rpm弱には存在するかと
思いますし、その辺にクラッチイン回転数を叩き込んでみれば体感も出来たりします。
とはいえ、71cc+ノーマルマフラー+ビッグキャブという仕様だと、谷にはまっていても
あまり問題ないLVで発進するかなとも(汗

クラッチイン、ミートの理想点を追求するならばとても判断しづらくやりづらい仕様に
なっている、というのは確実にありますね…
高回転型のチャンバーをくっつけた方がこれは勉強しやすいです。
あ、もちろんチャンバー付けましょうって意味ではありません(笑


そして、これはクラッチセットの話の場合私はいつも言っている事なんですが。

「一度は確実にオーバーシュートする様な高回転クラッチイン&ミートを体感すべき」

と、これが必要ですね。

ピークが9000rpm辺りにあるのにクラッチインを7500rpmとか、そういったセットも
一度は体験しておかないと、「高めのクラッチイン」というものが分からない上に
かなり低い回転でインさせている状態が普通だと認識している、といった方も
たまにおられたりしますんで。


> 今現在の理解としては全開スタートで一気に回転が上がりタコメーターの針がピタッと止まった時と判断しています。

クラッチミートの解釈としてはこれでおおむねOKでしょう。
金ちゃんさんの場合、タコメーターが針式なのでこの辺は余計に分かりやすいと思います。

で、これはクラッチミート、メーカーによってはクラッチタイトとかクラッチストールとも
呼びますが、要は発進後に半クラ&シフトアップが終わり、完全にシューとアウターが
密着してその勢いで一気に駆動系がローギヤに戻った瞬間を言いますが。


これ、一つの確認方法の目安として、ブレーキを思いっきり握ったままアクセルを
一気に全開にしてみるんですよ(笑

これだと油断してるとすっ飛ぶかもしれませんが、そこを堪えて車体をぴくりとも
動かさずにタコメーターを凝視し、一瞬ですがエンジン回転数表示が止まり気味に
なる所を見極めるんですね。

とはいえ、これは停車状態で半クラシフトアップを無理矢理起こし、ほぼ完全ミートに
なった瞬間にしかタコには表示が起こりえないのでかなりシビアですが(汗
確認方法としては目安の一つになりますよ。
そして当然ですが駆動系パーツには優しくありませんし多用は駄目です(笑

ちなみにコレ、某メーカーのサービスマニュアルにも表記されているれっきとした
車両メーカー側での正規のクラッチミート回転数の把握方法だったりします。


おそらく、これがご自身にて体感されている「タコメーターの針がぴたっと止まった
瞬間」とさほど相違ない回転数になるはずです。

実際に針が止まるのは変速開始、すでに変速回転数ですからそれよりはいくらか
低い回転数になるのがセオリーですが…これも正確に判断する事は難しく、
一つの目安としてお考え下さいな。


もっと簡単な手法だと、発進して加速し、「音が変わる瞬間」を見極めてもOKです。
タコを睨みつつ耳も研ぎ澄まし、「パア〜〜〜〜」と半クラっている状態から
「パイーン!」と変速に移り変わるその瞬間の回転数になります。

あ、いつも言ってますがフルノーマルとか超低中回転型でも無い限り、全開加速の折に
発進時からいきなり「パアアアアアア!」ってずっと音が変わらないのはベルトだだ滑りの
証拠なので、これでは完全ミート回転数なんてのは判断出来ません。

と言いますか、そのセットだとアクセル開けた瞬間にクラッチは完全ミートしてます(笑
…その代わり、ベルトがだだ滑りだからまともに発進出来てるだけなので。
これは熱ダレを誘発しベルトを痛めつける最悪セットなので、これだけには絶対に
陥らない様にお気をつけ下さいな。

これはSSの動画とかを見てるとモロに出てたりする車両もあるので、「音」に気を付けて
人様の走りを見たりするのもある意味セッティングの勉強になったりします。
短距離走のSS限定ならば、世の中にはコレを上手く利用して素早い発進に繋げる
方もいるのである意味では凄いと思ったりもしますね。


なお、ベルトの裏をわざとボスに当てるとか、ベルトセット時のドリブンの閉じ側の
余裕を完全に0にしたりし、自分の車両であえてこれを体験してみるのもなかなか
面白いですよ。
これが半クラなしのベルト滑り発進法だ、という物を経験しておくのもミソですね。

ベルト裏のボスヒットもしくはドリブンの余裕なしのどちらかがあってもこれは起こるので
両方がきちんとセットされていないと真っ当な駆動系ではない、と言えますので…



と、いつも通り長くなりましたが。
本当はこういうのを詳しくコンテンツに書けって話ですが…参考にして頂けると幸いです。
管理人でした〜

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