記事No |
: 6607 |
タイトル |
: Re: キャブレターのメインノズルとベンチュリ |
投稿日 |
: 2012/10/16(Tue) 22:40:09 |
投稿者 |
: ねぎのリーダー@管理人 |
参照先 |
: http://www.neginoleader.com |
メールギアありちゃんさん、お久しぶりでございます…で宜しかったでしょうか。 管理人ねぎのリーダーでございます〜
さてさて今回はキャブの件という事ですが、疑問が多数おありの様なので 一つずつお答えしていきますね。
えっとまず、車種はアプリオのタイプ2、という事で宜しいのでしょうか? ヤマハ特有のTKキャブ、という前提にてお話を進めてみます。
> 早速ですみませんが質問です。Jニードルのメインノズルって、中のテーパー(で良いのでしょうか?)
ニードルジェット、と呼ばれる…と言いますか私はそう呼んでいるパーツですね。
> サイズによって角度か高さが微妙に違ってますよね。これはJニードルの為のガソリンの微調整という > 考え方でよいのでしょうか?それとも他に理由あるのでしょうか?
それで宜しいかと思いますよ。 しかし、ニードルジェットでの「調整」と行うのは、元々そういったセッティングの方向性にて 設計されているキャブでこそ生きてくる物なので、スロットルバルブ(カッタウェイ)が多数 種類のあるキャブだと、通常はニードルジェットでのセッティングは行わない、と私は 解釈していますよ。
具体的に言うとミクニフラットTM24なんかは、ジェットニードルよりもニードルジェットの方が 調整幅が利く、といったキャブなんかもあったりしますが、ヤマハTKキャブの場合は スロットルバルブ調整が基本だと思われますね。
> 同じJニードルを番数の違うノズルと組み合わせると、ニードルの高さが変わるのでアイドリングも変わります。 > と言う事は、混合気量が変わりますよね。位置づけがわからなくて悩んでおります。
絶対的な混合気量というモノは変わりませんよ。 これはエンジンの「吸う力」、すなわち負圧が大きく変化しないと絶対的な吸入混合気量は 変化しづらいので、アイドリングの高低は単純に濃い目薄め等の幅が出ているだけだと 解釈します。
ニードルジェットの位置付けとしては、基本はメーカーがニードルに対して合わせている 物なので、むやみやたらに変更してもあまり意味はありません。 棒の様な単純なジェットニードルの仕様ならともかく、多段テーパータイプの通常の ジェットニードルの仕様であれば、ニードルジェットをいじくってもそこまで大きな特性の 変化を出す事は難しいですし、体感もしづらいですしね。
そもそも、そういったキャブではジェットニードルに加えて+αのセットを施したい場合には ニードルの変更のみならず、スロットルバルブの番手違いで対応するのが基本です。
なので、位置付けと言いますか気にしない方が建設的では、と私は判断しますね。 ノーマルレースを本気でやっていた頃は、ノーマルキャブに対しても色々な手法を 試してみましたが、はっきり言ってノーマル程度のエンジンと小口径のキャブでは全くと いって良い程にメリットもデメリットもありませんでしたので。
形状の違うジェットニードルと番手の違うスロットルバルブをいくつか用意する方が 間違いなく「やりやすい」ですね。
> それと、キャブのベンチュリ?(バルブ側面のこっちと向こうの穴)の形状なんですがエアクリーナー側を広めで、 > インマニ側を小さめのほうが良いのですか?
ベンチュリ径自体はストレートなのが基本ですが、理論上はエアクリ側を大きくして 微細なテーパー状に仕上げればよい方向には向くはずです。 PWKなんかはこういった加工を施す場合もありますし、セオリーではありますが だからといって大きく体感が出来るのか、といえばそうではありません。
しかも、ノーマルの小口径キャブ+エアクリ付きの仕様ではほぼ変わらないと言っても 良いでしょうし、加工の精度も求められますから実際に「使える」物をこしらえるのは かなり難しいかとも。
> 負圧が上がり、余計に濃くなるのでしょうか?
これは前述しましたが、負圧、というモノは「エンジンが吸う力」なので、エンジン自体の 構成を変更しないとキャブに起こる負圧という物は極端には変動しません。
ただし、「エンジンの負圧にまだまだ余裕がある前提で、ベンチュリ径を拡大する」と、 1ストロークで多量のエアが吸い込め、ジェット穴が同一サイズでも多量のガスを 吸い上げる事が出来ます。要はこれがビッグキャブですね。
しかし、エンジン自体がノーマルだとせいぜい18φ+直キャブ程度がノーマル吸入負圧の バランスの良い限界でして、それ以上にベンチュリ径を上げても大きなパワーUPは 出来ませんしね。
後、「濃くなる」というのはおかしいですよ。 吸入負圧が上がれば、エアもガスも両方を多く吸い上げる様になるので、ガスだけ 吸い上げる量が増えてエアを吸う量は変わらない、なんて事はまずありませんので。
> アプリオタイプ2ではパイ(ボア、ベンチュリ?)がヤマハ独自のY16Pで、SJ50番 MJ85番 カッタウェイ30 > (平面からマイナス3ミリ)JN3S64 をギアのキャブに移植してベンチュリをY16Pになるように削っていきましたが、 > しっくり行かずにもうちょっと、もうちょっとと削る内、インマニ側を削りすぎてしまいまして走らなくなりました。 > 同じサイズにしたほうがいいのでしょうか?
カッタウェイの3.0番で平面からマイナスから3o、というのが何をされたのかちょっと分かりかねますが… 申し訳ありませんがもう少し具体的に説明をお願いしたいです。
そして削った部分ですが、インマニ側を削りすぎて走らなくなったとの事ですが、 ノーマル風エンジン(だと仮定します)でそこまで極端な差が出る物でしょうか? これは加工具合ではなく、何かおかしな所を加工してしまって不調が出ているのではと 思ったりもしますよ。
ベンチュリ拡大加工なのであれば、スロットルバルブの左右側には全く隙間が無い 様な余裕は持たせていますかね? これを行ってないとスロットルバルブの劣化等があった場合にはモロに二次エアを 吸ってしまって極端にアイドリングが高くなる、といった弊害も出ます。 ヤマハのTKキャブだとあまり加工余地は無かった記憶があるのですが…
SJが64番にもなっているのもそのあたりのおかしさ?を証明していると思いますし、 通常はよほど排気量が大きくないとそこまで大きなSJで真っ当にセットする事は 出来ないと私は判断しますよ。
インマニに関してはですね、JOG系だと元々インマニは短いので、キャブ周辺を いじくると良くも悪くもはっきり出やすいですが、はっきり言いますとヤマハのTKキャブって 「馬鹿キャブ」なんですよね。
直キャブでセットするとよく分かるのですが、MJなんて5番刻みでも大差ない位に 適当でも走ってしまう上、微細な変化を出そうと思っても出せないという、ある意味では すごく適当なキャブです。
これは今行われている事を否定する訳ではありませんが、正直このキャブではいくら 各部の連動性やメカニズムを勉強しても、セオリーとおりに行きづらい事が多くて お勉強になりづらいと思いますよ。
そこまで細かな点に注目されるなら、セットパーツを多数選べる高性能なキャブで もっとしっかりと勉強してから、扱いづらいTKをやりこんだ方が間違いなく良いです。 意味が無いとまでは言いませんが、ノーマルキャブにこだわりが無いのであれば きちんとしたキャブを使って色々と楽しんだ方が建設的だ、と私は考えます。
言葉を返せば、あの分かりづらい馬鹿キャブのTKしか知らないのではキャブレターと いうシステムを理解するのはかなり難しい、とも言えますので。
ではでは。 ちょっと辛辣になってしまいましたがツッコミ等あればよろしくです。 管理人でした〜
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