がびさんお久しぶりでございます〜 節目を迎えてちょっとほっとしている管理人です。
さてさて、前回は駆動系、クラッチインあたりのお話になっていたかと記憶して おりますが、マニアックな話題は大歓迎ですのでどんどこお願いします(笑
と、このレスを書いている内に自己解決されたみたいですね。 私もがびさんと同様の分析になっていますが、せっかくレス書いたので一応ではありますが 全文を記しておきます。
…私のレスが遅いのは申し訳無いですが、こうなってしまうと自分でレスを書いていた 時間を無駄にも感じてしまうので、自己解決されたのは結構な事ですが一応の質問を されているのなら私のレスが帰ってくるまでしばしお待ち頂きたく思いますよ。 人に物事を聞いておいて、相手が口を開く前にいきなりもういいや、というのはいささか 失礼では無いかと。
仮に自己解決にて質問自体を消されても別に私に文句を言う筋合いはありませんが、 レスが付いていない=私が見ていない、とは限りませんし。 私も人の書き込みを見た瞬間に自分のレスを書き始められる訳ではありませんので。
では以下が私のレスになりますのでよろしくです。
> 最近なにかと話題?の海外スクーター製品、 > Stage6のシリンダーの「圧縮比」に関してなのですが、
ステージ6製品等について、ですね。 私もコレらはあまり数を分析した事が無いので限りある情報からのアドバイスに なりますが、基本的にヤマハ系エンジン用の物、という事でお話を進めます。
> あっち物の動画やサイトを見ていると > 70ccのエアロックスやZIPで最高回転数15000rpm、最大出力25hpとか。 > すごいなぁ・・・と、漠然と思っていたのですが・・・
そうですね、スペック的に受け止めるならばすさまじいパワーだと思います。 15000rpmのピーク時点にて、1.2kg-m程度のトルクが発生出来ているのならば 25ps程度は出ていても決しておかしくありませんしね。
ただ、スクーターの場合は後輪出力を上手く計測したとしても、クランク軸出力の 発生パワーに当てはめる事は結構難しいので、参考値程度と見ておいた方が 良いのでは、と私は感じますよ。
> 今日ふと70cc最高峰と言われる「Stage6 R/T 70cc」の取説を読んでいた所、 > 最大出力26hp、最大トルク12Nm、スキッシュ間隔0.40 mm (+0.10/−0.05 mm) > 等、ハイエンドなんだな〜と思ったのですが、
ステージ6といってもいっぱい種類があると思いますが、Stage6 R/T 70ccとは 最高級の物ではありませんかね(汗 でかいベーススペーサーを使い、フランジ形状もノーマルとは異なり、シリンダー ヘッドは内側が分解出来て融通が利きそうな素敵仕様の物かなと思いますが、 すごい品をお持ちなのですね〜
で、私はその品は実際には見た事ありませんが、出力はともかくスキッシュ クリアランスが0.4o設定というのはかなり詰めている方向性になりますね。
が…個人的に見た事のある中で一番上のモデルであるステージ6の47.6φの 全水冷アルミセンターリブ品、ノーマルストローク仕様を例に出しますと、実際の スキッシュクリアランスは0.7oの設定でして、さすがにそこまでは狭くはなって いなかったです。 (これがおそらくモデル的に「Racing MkU」ですね)
0.4oの設定だと、正直何かあるとピストンとヘッドのフチが「エンジン実働時」に 接触する可能性が0ではありませんから、個人的意見ではかなりデンジャラスな リスクを覚悟したギリギリの方向性かと分析したりしますが、さすが最高級の品かと 思ったり(汗
>それ以上に驚いたのが、圧縮比が「1:15,3」となっていました。 > > いくらなんでも高すぎなのでは・・・と思ったのですが、 > まぁ基本的に短距離ドラッグレース用だし、割と周回レースでも使用されてる > 同社のRacing MkUシリンダーならもっと低いんだろうと思い、 > また調べた所、そっちは1:14 となっていました。
そして圧縮比の件ですが…こちら、私もその手のパーツの紹介文や説明書では 「圧縮比」として「14:1」とかって表記されている物も見た事はあります。 ステージ6の他にはマロッシもこういう表記を行っていましたね。
で、これは結論から言いますと、この手の表記は数値的には正しい圧縮比の計算、と 言いますか、国内バイクメーカーが使用している一般的な圧縮比の計算とは全く違った 方向性で記している、と私は分析していますよ。
これ、単純に「シリンダー内容積÷ヘッド容積」といった感じの単純な方向性で 出している数字が説明書等に記されているのでは、と私は考えています。
実際、前述のステージ6の70ccのキット、これはシリンダーヘッド下部が円筒形になって シリンダー内部に突き出ている特殊設計ですが、ヘッド容積は5.5ccとなっていまして 単純に(70cc+5.5cc)÷5.5ccだと単純な容積対比としては「13.7:1」になりますね。 一応、Racing MkUの説明書の表記上で「14:1」ならばまあまあ近似値になっているかなと。
14:1とか15.3:1とかだと正直、そういった適当な計算であればヘッド容積だけをちょこちょこ 微調整すれば「数字だけ」は出せますから、他のキットがそういった方向性になっていると 考えても別段おかしくは無いかなとも。
…これはあくまで私見ですが、はっきり言うと欧州のパーツメーカーの場合だと、日本の バイクメーカー等で行われている方法と同様の圧縮比計算は行っていない、と私は 分析しています。 実際、OEMモデルの様な同一エンジンでも、国内と国外では圧縮比の表記が大きく 異なっている事もあるみたいですしね。(私が実測比較した訳ではありませんが)
で、そのステージ6製品でもヘッド付属のキットの場合、実際の真っ当な圧縮比を各部の 計測より算出した場合、47.6φセンターリブのRacing MkUでは「7.9:1」でしたよ。
そして、安価目なスチール製のシングルポート物、これもヤマハ用47φの68ccキットの 場合は「6.6:1」程度でしたからね。 コチラは少なくともノーマルより低い数値であった、という事は間違いありません。
憶測ですが、Stage6 R/T 70ccだと本当の圧縮比はおおむね8台位になっているのかな、と いった推測も立てられますね。
ちなみにマロッシ系でも結果は同じで、ノーマル風味やノーマルより低い圧縮比設定に なっている物もあり、正直説明書の数値は正規の意味での「圧縮比」とするには確実に 意味不明だ、と私は感じていたり。 はっきり言えばそれは信用に値しない適当な数値である、と言っても良いでしょう。
これはそれこそメーカーの開発者の方にでも伺わなければ本当の所は分かりませんが、 おそらくではありますが、真っ当な方向性での圧縮比設定は行っていない、という事を 記述から読み取る事は出来る、という事で。
私が絶対に正しい、とまでは言いませんが、結果的にエンジンパワーが出ているのと そういった点の整合性が取れているかどうか、はイコールではない場合というのも多々 あるのが世の中なので、分析の一つとして受け取って頂ければと思います。
本来ならちゃんとやっているのかもしれませんが、その怪しい説明書表記からのみ物を 見ていると、確実におかしいとしか分析出来ないので。
> いくらハイオク混合指定とは言え、そんな圧縮比でまともに走れるとは思えないのですが・・・。
…実際、14:1とかそんな圧縮比で真っ当に動かせる訳が無い、というのはがびさんも お考えの通りでして、燃料がどうこうとかそういったLVですらありませんし、いくらオイルが 良くて混合仕様だとしてもそんな事全く関係ない位に破綻している構成になっている、と 断言しても良いですからね(笑
そしてちょっとだけ余談ですが…このステージ6製のキット、圧縮比は置いておきましても 他社の無茶苦茶圧縮比とかの適当極まりないものに比べればはるかにマシでして、 設定上はそこまでヤバい方向性にはなっていないと感じますね。
ピストンクリアランスやリングの質等、ツッコミどころはありますがおおむねお値段なりの クオリティと「整合性」はある程度付与してきているな、とステージ6の近年の品では 私は感じていますが、いつまで経っても改善しないどころか改悪している某マロッシとは 比較にならないな、と個人的な印象がありますしね。
同じ位のお金を出すならマロッシよりこっちの方が良いですが…これはヤマハ系の 車種限定になってしまうので、ヤマハ系はホント選択肢に恵まれてます_| ̄|○
私は別にステージ6の回し者ではありませんが、ヤマハ系の方に、であればお奨めは 出来るかと思いますし、言い方を換えれば「ポン付けでもそこまで悪くない」製品と いったところかな、と分析していますね。
そして最後にもうちょっとだけ補足をば。
> 70ccのエアロックスやZIPで最高回転数15000rpm、最大出力25hpとか。
こういった表記がありますが、これは仮にピークが15000rpmで出ている、といった事は あくまでチャンバーをそういった特性でこしらえているからこそ可能なのであって、 いくらエンジン腰上がハイパフォーマンスを出すとしても、ピークパワーをどの辺りに 発生させるかを決定付けるのはチャンバー特性であって、ポートタイミングというモノは ある程度のベターな所に設定していればあくまで「味付け」でしか無いんですよ。
なので、これはステージ6の「腰上」が優れているから「だけ」でそこまでの高回転ピークを 発生させられているのではありません、という事で。
排気ポートタイミングをいくらいじくっても、10°速めればピークが3000rpm上がるなんて 事はありえませんし、ノーマルマフラー併用前提でポートタイミングを速めていくと際限なく ピークが上がっていくのか、といえばそうではないという事もご存知かと思いますしね。
そして、文面から見るとあくまで「回転上限が15000rpm」なのであり、一番美味しい所は 13000〜14000rpm程度、といった可能性も十二分にある、といった点もお忘れなき様に。 と言いますか普通は大抵そうなりますよ(笑 ちなみに私は2stエンジンが完全にオーバーレブってる所の最高回転数がいくつなんてのは あんまし気にしてませんので…
> まぁ基本的に短距離ドラッグレース用だし、割と周回レースでも使用されてる
アチラさんのドラッグレースだと150mとか200mでの競争なのではありませんかね? 短距離といえば短距離ですが、SS1/32mileとは全く違ったモノであると私は感じてます。 とはいえ圧縮比が本当に14:1もあるのならばいくら全水冷でも持つはずありませんし(笑
と、私的意見としてつらつら書き連ねてみましたが。 圧縮比の表記の問題、これはメーカー側が適当こいているかもしくは圧縮比の本来の意味を 知らないのでは、と私は考えています、という事になります。
これは鵜呑みにして良い数値ではありませんし、明らかにおかしいので普段通りに自分で 測ってみたらなんとも常識的な数値であった、というオチだったので(笑
そして、ちょっと手間は掛かりますが、がびさんはステージ6製品の現物をお持ちの様なので、 是非ご自身で計測&計算にトライされてみると面白いかと思いますよ。
ではでは。 長くなりましたが本日はこの辺りで失礼をば致しますね。 いつも通り駄文長文大歓迎なので突っ込み所があればまたよろしくです。 管理人でした〜
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