アクシス中毒さん毎度でございます〜 っと、どうやら例の件は無事解決したよりで何よりですよ。
> 今回さまざまな方法を提示してもらいましたが、とりあえず以前から欲しかったタップダイスとM12で1.25ピッチのタップを買って適当な板を使ってダブルナット方式で試してみたのですがこれが意外とうまく行ってスルスルと抜けていきました(笑 > > ちなみにタップダイス等のお金はかかりましたが、近所のホームセンターで10.8mmの穴が空いたちょうどいい板が売っていましてキリ代が浮いたのが何とか救いになっています。(10枚板が入っていまして58円でした)
板を2枚使ったダブルナット方式でいけたのですね〜 確かにタップ代は掛かってしまったかと思いますが、こういうのは技術としての 貴重な経験になりますから、絶対に損にはならないので良い事だと思います。
…人間、誰しもこういうのを経験しつつ工具や技量が増えて行ったりする事も 多々ありますんで、ね。
しかし近所に10.8φの穴開き板が売ってるとは素敵過ぎます(笑 こういうのを見つけるのも楽しみの一つですし、個人的には好きだったり。
> どうも騒がせてしまってすいませんでした。今回のアドバイスはとっても役にたちました〜アドバイスしてくださったリーダーさんや常連の皆さまに感謝です!
いえいえ、こういった事でも自分だけでは解決出来ない事ってあるかと 思いますし、もし、後から同じトラブルに遭遇した方が居れば解決方法の 一つとして今回のアクシス中毒さんの手法が役に立つというのも間違い ありませんから。
> しかしタップ使うのは難しかったですね(笑 > いくらか練習したので多少はうまく使えるようにはなったのですがどうしても斜めにねじを切ってしまって苦戦しました。20枚位の鉄板を犠牲にしてようやくまともな物ができるようになりましたが・・・ > とりあえずタップを入れて最初がうまく鉄板とかみ合ないのでそこが難しいですね〜
ふむふむ…これは確かに慣れが無いとちょっと難しいかもしれませんね。 こういう事にこそ自分の知識でアドバイス出来ればと思うのでちょっと色々と 記してみます。
とはいってもこれは基本的な事なので、モノの本を読まれているのであれば 書いている可能性が高い事だと思いますが、いくつか個人的なコツをば。
まず、薄板にタップを切る、というのはピッチにもよりますが回転数が少なくなるので 最初の一撃、まだ歪み修正の効く1〜2回転目でもかなり正確にタップを入れて やらないといけないのですが、最初の「取っ掛かり」を確実にする為にはまず 相手のワーク(材料)を出来る限り固定するのが大切です。
これは木の板に穴を開けたモノに簡易なシャコ万で机等に固定しても良いですし、 出来れば万力があれば良いですがとにかく「タップを切る」という作業に人間が 集中出来る状態を整えるのが先決ですね。
で、その上で下穴に対し、「面取り」を入れるのもかなり有効ですよ。 これは面取りカッターをひとつ持っていれば色々と捗りますが、別に3〜4oくらい 大きなドリルのキリを使い、先端をそっと穴に当ててやる「皿モミ」程度でも 穴の面取りは可能だったりしますね。
ちなみに面取りカッターは円錐タイプの先端に斜めに穴が開いてるタイプが 使いやすくて良いですよ。
> とりあえず手順はよくある通り、潤滑油かけタップを穴に垂直に入れハンドルを装着して穴あけって感じです。
次に、薄板相手ならばこの「垂直を出す」のが一番難しいのですが、これはまず 面取りを入れた上で最初の一発目の半回転位を優しく切り込み、タップを 「自立」させます。
で、ここでまずタップそのものを真正面から見てやり、垂直になっている事を 確認した上で、視点を90度ずらし、今度は「真横」からタップの垂直度を目視で 確認するんですね。
これだとどっちかが傾いていたらその都度修正出来ますし、とっかかり部分さえ ある程度垂直が出ていれば、その後は意外と真っ直ぐ進む物なので。 切り初めの部分だと1回転させるまでには垂直をちゃんと出す位の気持ちが良いです。
出来ればスコヤ等の器具を使い、実際に垂直が出ているかどうかをある程度 確認しつつ切っていくのも良いですが、最初の内だけ集中して目視していれば 実用において使い物にならない位にまで傾く、という事はまず無いですね。
環境があれば、ですが一発目のとっかかりだけはボール盤のチャックに タップをセットし、チャックを「手で回して」切り始める、というのもありますが これもタップの基本なので参考までにどうぞ。
>あとは3週位ハンドル回したら半周ハンドルを戻して切り子を抜いてる感じです。
タップは戻し工程が基本ですが、もう少し切り込み回転を少なくした方が良いですね。 切り始めの部分は半回転回したら1/4回転戻す、位の手間は掛けた方が 良いでしょう。
これはとにかく面倒くさがらずにじわじわと作業を進めれば、2〜3回転も切れば 後はぐいぐい行ってもまず大丈夫なので(笑
で、これは環境があれば、ですがタップを戻した時にはエアでキリコを吹っ飛ばして やるのが良いですが、無いならばCRC5-56の様な流れやすい潤滑剤で流して やっても良いですね。
ちなみに、薄板ならばさして切り込み時の熱は持たないと思いますが、加工部分を 手で触ってみて温かい、と感じるならばすぐさま潤滑油や切削油を追加すべきです。 潤滑や冷却というモノは切削系作業においてはとーっても大切な事なので。
なお、あまりきっついタップ切り作業では無い場合だと、戻し工程が必要無い 「スパイラルタップ」という物もあるので頻繁に使うサイズはそれを購入しておいても 良いかと思いますよ。 私もM6xP1.0とかM8xP1.25とかはスパイラルタップも用意してます。
後、道具的にはですね、セット物を購入されたのであればタップハンドル自体が 細長い棒状になっていて、中央にタップの尻を差し込んで締め上げるといった ハンドルかと思いますが、径の細い物やピッチの細かい作業の場合だと、 そういうハンドルではなくもっと柄の短いT字になっているタイプのハンドルを 使った方が安定してタップを切る事が出来ます…がこれは好みも大きいかと(汗
別にセット物のハンドルが使えないというワケではありませんが、これだけは 別途ある程度しっかりしたハンドルを購入しておいた方が身の為です(汗 (…M12xP1.25だとワンサイズでかい規格のハンドルで無いと咥えられませんが)
それと…タップ自体に下穴に対するガイドが付いている物(ガイドタップ)も あったりしますが、これはあまり特殊サイズは無いみたいなので過度の 期待は禁物ですし、そこまでしなくとも、標準的なサイズのタップであれば テクニックとやり口でそこそこの精度は出せますので、ね。
そんなの使うならば同径で同ピッチのナットをタップに入れておき、そのナットの 「面」をアテにしてそこそこの垂直を出せば良いだけなので(笑
> しかし今回は成功したので叫んでしまったのは秘密ってことで・・・(笑
ええ、自分の知恵と努力で成功したら嬉しいものですよね〜 私もしょっちゅう叫ぶ事はあるのでお気持ちはよく分かりますです(笑
と、久々に技術的なご質問だったので長くなってしまいましたが。
と言いますか、ご紹介した手法はおそらく大抵モノの本とかには書いていると 思いますし、基本的な事なので機械加工とかが専門の方には珍しくもなんとも 無い事だったりしますんで、適当にピックアップして参考にして頂けると 嬉しいですよ。
…個人的なコツを言うなれば、やはり「タテヨコからの目視確認」と「面取り」ですね。
ではでは参考にして頂けると嬉しいです。 管理人でした〜
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