記事No |
: 6796 |
タイトル |
: Re: JOG系エンジンのリアサスブッシュ交換について |
投稿日 |
: 2014/04/25(Fri) 06:41:59 |
投稿者 |
: ねぎのリーダー@管理人 |
参照先 |
: http://www.neginoleader.com |
アクシス中毒さんお久しぶりでございます〜 週末がSSなのにちょっとしかいじれてない管理人です_| ̄|○
> 写真館の方みましたがまさにバイクやレーサーの全盛期(黄金時代って言えばいいんでしょうか)の > 時代伝わってくるいい写真ばかりですね〜 > まだデジカメ等がなくフィルム写真がいい味を出していていると思いますよ。
さてさて、まずは更新分を見て頂けたみたいで嬉しいですよ。 どうもありがとうございますです。
全盛期かどうかは分かりませんが、この時代だと80年代のレースブームが落ち着いて その後もう一度走り屋上がりの人たちも含めて賑わった頃になりますね。 全国統一のレギュレーション、といった感じのまるち杯的な統一規則も出来たので 「やりやすい」時代であった事は間違いないかと思われます。
> 私一度はその時代を味わってみたいのでそんな時代がまた来ればいいな〜と思っていたり(笑
これはですね、仮にその時代を味わいたいのならばまずは自分からそう動かないと ただ待っていてもそういった時代ってのはやってこない、とは断言出来ます。
私自身、自分がやりたかったからこそ地元FNクラス開設に向けて尽力した訳でして… 田舎だと特に、ですがレースってのは「出る」のではなく「やる」といったスタンスで 取り組まないと、開催すら無いというのが現実ですから、ね(笑
> その中にエンジン側のリアサスのゴムブッシュ交換と書いてあったのでいざ自分の車両(アクシス90と > グランドアクシス)のエンジン側ブッシュを確認してみると結構ぼろぼろだったのです。 > これはいかんな〜と思い思い切って交換してみるかなといろいろ調べてみたのですが・・・ > ゴムブッシュ自体はメーカーがちゃんと部品を出しているのでOKだなと思ったのですが交換方法は > サービスマニュアルにはまったく書いていなかったのでちょっと悩んでいました。
さてさて本題ですが。 MYN666さんの話題にもありましたが、リヤサス下部のブッシュを交換されるのですね。 コチラ、目視でボロボロになっているのであれば一度位は交換してあげても損はしないと 思いますよ〜
ただ、おっしゃる通りこれは交換方法はサービスマニュアルには記載されていませんし、 具体的な手法、となればなかなか難しかったりするんですよ。 以下、それをふまえてちょっとだけ解説させて頂きますね。
> そこでリーダーさんの掲示板にソケットのコマとボルトを使用した新品ブッシュ入れ替え方法を > 使ってみようと思うのですがこの方法で気をつける事等はありますでしょうか?
以前画像板にもUPしたかな、と記憶していますが、おっしゃる通りソケットのコマ等を 古いブッシュを通す「筒」に見立ててやり、新しいブッシュで古いブッシュを押し出しつつ 入れ替える、といった手法になるかとも。 …間違っても打ったり叩いたりはしませんね(笑
こちら、注意点は正直色々ありまして(汗 まずは、これは圧入されている物を無理矢理押し出す、といった作業になる上に リヤサスブッシュ部分だと、ブッシュ本体の周りのアルミのクランクケースの 肉厚がさほど無く、強度的にはかなり脆い物である、といった点が一番の注意点に なります。
> いろいろと模索しているうちに交換中にクランクケースが破損した事例もありましたのでこれは > いつも以上に慎重に作業しないといけないと思い現在交換作業は中断しています。
なので、お調べになられた様に、下手をこくとクランクケースにクラックが入ってしまい 全てがパーになる可能性もあるんですよ。
コチラ、失敗された方の場合だとこういった徐々に圧入するのではなく、油圧プレスで 作業を行った場合も散見されますが、正直プレス作業というのは「相手側」にもかなり 強度や肉厚がある場合にのみ許される作業なので、圧入するブッシュが鉄なのに 相手側がそれより柔らかくて外周部の肉厚も無いアルミなのでは、プレスなんて はっきり言うと自殺行為以外の何物でもありません(汗
ひとつ例えを出しますと、ホンダスクーターだとクランクケースへのクランクベアリングの 圧入って、サービスマニュアルではプレス指定なんですよ。
これ、ホンダのクランクベアリングは比較的外径が大きく、クランクケース側もそれなりに 肉厚があるので、やってやれない事はありませんがこれも正直かなり危険な上に クランクケースに対しても優しくないので絶対にお奨めは出来ませんが。
プレス的な力の掛かり方だと、大きな力をかけられる反面、少しでもその力が 圧入物や相手の穴に対してきちんと掛かっていないと、どこか一点に対して その力が集中してしまう上、手作業とはいえその力のズレを感じ取る事はかなり 難しいので、スタッドボルト的とカラーやコマ等を用いた方が確実で安全なんですね。
少なくとも、M8とかM10でピッチが1.0程度のモノを「締めこんでいく」のであれば、 ボルト部分を一回転させても「ブッシュが進む距離」はわずか1oですから、 万が一、作業中上手く行っていないとしてもそのわずかな距離の間であれば 力の掛かり具合を人間の手で感じ取る事が出来るからこそ失敗しづらい、と 言えますね。
> 偶然入ったらそれはそれでいいのかもしれませんが次また同じ作業をするときに交換が > できなかったら意味がないと思い質問さてていただきます。
そうですね、さすがにこれは人生において何度もやる様な作業では無いでしょうが、 手法や技量、そして構造物としての分析、といった物をこの機械にしっかりと 分析しておけば幅広や役に立つ知識となるかと思いますので。
…と言いますか2台分やろう、という方もかなり珍しいとは思いますよ(笑
> とりあえず交換用の新品ブッシュや掲示板に掲載されていたボルトやワッシャーやソケットのコマ、 > あとは道具の入り?でいいのでしょかスラストベアリング等は用意できています。 > そのほか必要な物がありましたら助言等お願いします。
そうですね、道具としてはさして特殊な物が必要なワケではありませんし、スラスト ベアリングも用意されているのであればまず問題ないと思われます。
ただし、古いブッシュが突き進んでいく筒になるソケットのコマは、わずかに ブッシュの外径より大きく、かつクランクケースの円形部分にぴったり合うものを チョイスするのがコツでしょう。
リヤサスブッシュ部分であれば薄肉のプラグレンチなんかも使える場合もありますし このあたりは臨機応変に工具箱の中身と相談するのがセオリーですね。
後、基本ですが芯となるボルトやナット類は強度のある物を使うべきで、伸びない ステンレス製の物はご法度ですし、ねじ山部はそれなりに発熱するのできちんと 油分を給油しながら作業する事が必須になります。
「ねじる」と言いますか、ねじ山のある工具を使って大きな力を掛ける場合には ねじ山部分を潤滑、冷却するのは道具工具の基本中の基本ですしね。 ベアリングプーラーやクランクインストーラー等も潤滑は基本なので。
> 私的に考えてみたのですがじっくりドライヤー等でブッシュ周辺を温め素早く交換すればいいのかなと > 思いましたが手順の方にも何か助言がありましたらよろしくお願いします。
熱膨張の応用になるかと思いますが、これは場所がクランクケースの為に、 リヤサスブッシュ周辺を温めてもクランクケース本体側にどんどん熱が逃げるので 局所のみの加熱はほとんど意味がありません。
仮に「いけるレベル」にまで加熱出来たとしても、さっさと作業を行わないと どんどん熱が逃げて冷えてしまうので、最初から最後までを「同じ力」で作業する 事はまず不可能ですから、途中で具合が変わってしまって怖くなると思います。
どうせやるならばクランクケース全体を熱した方が良いですが…それでもブッシュと いうモノは熱膨張程度の寸法差でポロリと取れる物では無いので、あまり意味は 無かったりしますよ。
あ、ヤマハ系エンジンだとエンジンハンガーパイプの部分のベアリングならば熱膨張で 取る事も出来ますが、劣化具合にもよりけりなので何でもかんでも熱膨張が効果的で あるかと言えばそうではない、という事で。
> 本当は簡単な事かもしれませんが練習するにも手法をしらないで闇雲に練習するのは好ましく > ないのでアドバイスをもらえるとありがたいです、よろしくお願いします。
いつもながら、と言いますかその方向性ってとっても素敵だと思いますよ〜
一応のコツとしては、まずは最初のとっかかりを合わせるのにこれでもか、と言う位に 位置決めをしつこく目視し、少しだけブッシュを押し込んでみて古いブッシュと新しい ブッシュのセンター部がうにょ〜んと歪み、「ブッシュの外筒」部分同士が接触したら コンマ1のズレも無い位にきちんとしているのかな、という点を確認すべきです。
それと同時に、「筒」となるコマ側もクランクケースの丸い部分に対してコマの全周が 出来る限り均等に当たっているか、の確認も必要ですし、これってばぴったりはまる 専用工具を使っている訳ではありませんから、わずかのズレが大事故に繋がると いったリスクはどうしても回避出来ないので、しつこいくらいの目視と確認が一番の コツになりますね。
なお、古いブッシュが押し出され、新しいブッシュが少し入った、となればその時点で 工具を全部緩めてみて、どんな入り具合になっているのかを再確認するのも大切です。 (と言いますかこれは2、3度やればコツが分かってきます)
最初から最後まで一気に行こうとすると、途中でしくじるまで気付かなかったりする事も あるので、面倒くさいですがとにかく少しづつ、という事で…
で、最後に余談ですが… 私個人としては、2stスクーターをいじくるにあたって油圧のプレスが必要な作業と なれば、クランクシャフトのビッグエンド、大端ピンを抜く&入れるとか、後はギヤの シャフトと歯車部分を分解&組み立てるとか、そういった系の用途しか無かったりします。
ホイールベアリングとかでも叩いたり打ったりプレスしたりはせず、相手が鉄の ホイールでもボルト&コマ方式でゆっくりとベアリングを入れて行ったりしますね。
ちなみにブッシュの場合だとはまっている部分の直径より刺さっている部分の長さの 方が長い、といった、勘合に関してはかなり強烈になっている、といった機械的な メカニズムをぱっとみて分かれば、作業にて気をつける点も自然と見えてきたりも するのですが、これはなかなか難しい物なので(泣
…WEB上での破壊例で存在するかと思いますが、そんな構造になっているブッシュを 叩いてどうこう、なんて無茶苦茶を通り越して最初から破壊するつもりのレベルに なってます、とも言えますので、ね_| ̄|○
とまあ、いつも通り長くなりましたがいつも通りの私のアドバイス、という事で(笑
> P.S やっぱりFSマシンはかっこいいですね!HPのトップを見て思いましたが今の時代のマシンにも > 負けない総合的なかっこよさがあると思います!
TOP画像でしょうか?これまたありがとうございます〜 珍しい写真なので更新ついでに差し替えてみましたが、雨上がりなのがつらいです(泣
この手のマシンも今となっては珍しいと思いますし、ノーマルの面影を残していない 車輌なんていくらでもある時代ですからあまり目立ちはしませんが、これまた個人的な 世代、としてはやっぱりこれがスクーターのひとつの究極形である、とは思ってます(笑
なかなかベース品が手に入らないので今では不可能ではありますが、この手のマシンって フレームから組み立てていくので全ての箇所のチューニング具合を自分で決めなくては いけないといったモノなので、エンジンや駆動系は当然としても冷却システムやら足廻り、 はたまたブレーキやらサスのバランス等まで、全てのスキルが求められる、という ある意味では面白いマシンだな、という事で…
ではでは、ツッコミ等あればどしどしお願い致しますね。 管理人でした〜
|