にけさんもういっぺん毎度でございます〜 質問板が寂れて悲しい反面物足りない管理人です(笑
さて、AF34の整備、という事ですが…コンビブレーキ仕様で触媒なし、 そしてキャブトップが樹脂であれば97年98年あたりの中期モデルですね。 特に特筆すべき点は無い、ギヤ比だけZXと同じ非ZXモデルかなと。 (※ファイナル減速比は10.912ですがこれはアウター回しで判断出来ます)
> 表題通り、AF34の整備なのですが、何となく全体にパワーが無いような気がします。 > 走行3万弱、普段高齢の女性が乗っておられ、荒っぽい運転はしてないようです。
でもって、状態ですが…走行3万km弱、というのは間違いで無ければかなりの 過走行車になりますよ(汗
パワーが無い、という事ですがそりゃあ当然です、と言いますかそれで真っ当に 走れている時点で凄いと思います…
あまり過負荷を掛けなかったみたいなので致命的トラブルは無いみたいですが、 それでもライブ系でそこまでの走行距離だと、腰上はもうまともな状態では 無いでしょうし、下手するとリング劣化どころではなく、圧縮すかすかになっており ピストン側面やらシリンダー内壁までがカーボンで覆われているかもしれません。
…これ、嘘の様ですが現実にある話でして、過走行車だと私はそんな無茶苦茶な 状態になってる物も見た事ありますんで…
これ、何はともあれまずは腰上を開け、リングの減りやピストンの状態をきっちり 判断する事が先決でしょう。 駆動系云々なんてのはその次でして、正直1万kmでも怪しむべき2st原付一種の スクーターでしかもDio系、となればまともだと考える方がおかしいです(汗
こちら、原付二種であれば元々の設計がたかだか1万km程度でおかしくなる様には なっておらず、リング等でもおとなしく使っていれば1万kmなんて持ちますし、 ピストン等なら2万kmでもさして減ったりはしない物ですが、原付一種の場合は 走行距離と劣化具合で比較すれば、原付二種の半分以下しか持たないものだ、と 認識して頂ければ、と思いますよ。
> 駆動系を分解したところ、ローラーベルトの摩耗、プリーの偏摩耗もありますが > 3万キロで一度も交換してないと思うと奇跡的?な状態でしょうかね(汗) > トルクカムも分解しましたが、特に目立った摩耗も無いですし、距離を > 考えるとこちらも奇跡的なコンディションです(笑)
駆動系に関しては、これは荒い運転でなければそれなりに持つこともあるかと 思いますが、距離的、年式的にはもはやプーリーは使えないレベルでしょう。
ベルトは基準幅15.5oですが交換規定値の14.5oまでは減ってなくとも、 経年劣化を考えるとまずヤバいので交換は必須ですし…
トルクカムは45°→90°のホンダタイプですが、これは90°溝に入るか 入らないか、のギリギリのところでノーマルの最高速が出ているので、少しでも ベルトが減っていると最高速時点でも45°溝を使い、ガンガンにトルクカムを 作用させながらスピードを出している事になるので、この手の「小径駆動系車」は 少しでもベルトが減っていたり、WRの磨耗でプーリースライド量が少なくなって いる場合、そのトルクカム溝の使い方のおかげでおもいっきり唸りまくって 極端に最高速度が落ち込みますから、駆動系に関しては見た目以上に最高速 性能のダウンは著しくなる車種なんですよ。
> エンジンの音も静かでリング音等も聞こえませんし、セル一発で始動します。
エンジンの音は静かでも、これは実際にリングの合口隙間等を計測してみて 実際の金属の磨耗具合を確認しないと安心は出来ませんよ。
リングの異音に関しても、これは正直気にしてもしょうがない物なので私はほとんど 劣化判断の基準にはしませんし、逆に音が小さいからといってそういった点で 安心感を得たりする事はありません、と断言します(汗
…ちょっと言葉がきついですが、腰上を開けもしないで過走行エンジンの具合を あれこれ言っても始まりませんし、ライブDio系という事もあり、クランク大端部の ガタ具合や基本のクランクベアリングやオイルシールのやられ具合も気になります。
そして、純正式のマウントでもかなり頼りないオイルポンプの根元部分も間違いなく 漏れまくっているでしょうし、紙ガスケットの無いゴムシールタイプのリードブロックの 「面」や、キャブやマニの接合部も漏れがあるかと思われます。
このあたり、Dio系エンジンは本当に経年劣化で漏れや二次エアが出やすい設計に なっているのでマメすぎる位のチェックと交換を行わないと安心が出来ないと いうのが一番のミソだと思いますです。
> ですが、走り出すと何となく力がないといいますか、最高速も50キロ > がやっとな状態です。
こればっかりは新車状態のパワーを知らないとなんとも体感しづらいと 思いますが…正直、そのモデルだとノーマル新車でも運が悪ければ8000rpmの 回転数リミッターが効くほどまで到達出来ず、メーター読みで55km/h程度しか出ない 固体も存在しましたから、その走行距離で50km/h出ていればまだ御の字だと私は 感じますけれどね_| ̄|○
もちろん、タコメーターを取り付けて最高速時点でどの位エンジン回転数が回って いるのか、を確認する事も必要でしょうね。
> 試しに、峠を登ってみましたが、段々とパワーが無くなってきて何とか頂上までたどり着きました。 > 下りになって全開で下ってましたが60キロ以上は出ない感じで。
この手のモデルがギヤ比がZX仕様ですから、下りであればリミッターが効く レベルまで引っ張ればなんとかその位の速度は出ると思いますよ。
登りに関しては…正直この車種にそんな事を求めるのはかなり酷でして、 速度を維持して上り坂を登る、というのはかなり苦手な部類である、という点も 認識頂ければと思いますです。 …ぶっちゃけますと新車でもかなり遅いですよ(泣
> 途中で止まってみるとエンジンは止まってしまい、かかっても、バラバラというだけで進みませんでした。暫くして復活しましたが > オーバーヒートなのか???です。
むむ、これはかなり不味いと思いますよ。 エンストした、という事は燃料系や点火系の問題では無い限り、まず軽く 焼きついているでしょうし、過負荷が原因なのか、もしくはよくあるオイルポンプの 吐出不足なのか、そのあたりも怪しむべきです。
再始動してもバラバラ言うだけで進めない、となれば焼きついている可能性は かなり高く、どのみち一度は腰上をはぐってみないと不味いと思います(汗
なお、オーバーヒート、というモノは2stエンジンだと即焼き付きだと解釈して OKですよ。 クランクシャフト等の回転部がきついのではなく、ピストンとシリンダーといった 摺動部がきつくなってロックしかける、となればそれは致命的なので…
> その後それなりに正常に走りますが(パワーはない)原因は何なのか? > 大体の状況を羅列してみましたが、如何でしょうか? > なにかヒントがあればよろしくお願いいたします。
と、私の見解としては、第一に腰上の劣化しすぎ、次点でマフラーの劣化や オイルポンプ不良による力不足&焼き付きによるパワーダウンだと推測します。
オイルに関しては、分離給油を殺さないまま50:1程度の混合ガスでも入れて みれば一発で分かりますし、元々オイルが足らなかったのであれば混合ガスを 加えた方がはるかにパワーが戻りますんで。
正直、そこまでの過走行車でしかもライブDio、となればかなりの部分を新品交換して いかなければ安心して運用する事は不可能だと思いますし、元々がそこまでは 高性能な車両ではない為、60km/h程度を維持して走るだけでもZXとは異なり かなりの無理が掛かっている車種である、という事でよろしくです。
ではでは、長くなりましたが何か不明瞭な点があれば遠慮なく突っ込み下さいませ。 管理人でした〜
|