Gダッシュ大好きさん毎度でございます〜 さてさて今日も補足の補足なんかをば。
> > 仮に新品クランクケースをベースとしていても、2回も3回も割っていくと > > どうしてもベアリングはケースには残りづらいです。 > そうなのですか…。それだけデリケートな物なのですね。ちょとびっくりしました。
コチラですが、クランクケースのベアリング穴の磨耗、といった点はどうしても出てきて しまう物であり、そういった意味では「クランクケースはそれなりに劣化する」という事で ある、とお考え下さいな。
これはレーサーの話ですが、NSR50なんかは元々片側のクランクベアリングのはまる 具合がゆるい事もあり、クランクケース側がかなり劣化するエンジンの代表格ですし 2stスクーター系のクランクケースはそこまでではありませんが距離を重ねてくると 不味くはなってきますし、それを鑑みると一度リフレッシュさせたのであれば後は 明確にトラブルが出るまでベアリングは放置の方がまだ良い、といったパターンも ありますからねえ…
> > オイル供給が足らない等の他の要因も考えられるかと思いますです。 > オイルは腰下を割った時はしっとりとケース内が濡れている状態ですので供給は十分かと思うのですが
オイルですが、このチェックを行った時は、実走行させた後すぐに腰上を外して クランクケース内部をチェックされましたかね?
これ、ホンダAF18系オイルポンプの場合、クランクケース側のオイルシールが 劣化してくると、停車時にオイルを吐き出してクランクケースに溜まるという 傾向になりがちなので、仮に停車後一晩置いていると、ある程度クランクケース 内部にオイルが溜まってしまう、という事もあるんです。
実際、一度にあまり距離を乗らない方だと停車時にクランクケース内に溜まった オイルも潤滑の手助けとなり、オイルポンプ吐出量が激減していてもなんとか 走行は出来ている、といったワケの分かりづらいパターンもあるので…
こちらはすでに実践されているかもしれませんが、オイルポンプをギヤごとエンジンから 外し、ポンプにギヤを刺したまま一晩放置しておけば、オイルシール部分からの 漏れがあるかどうかの判断にもなりますよ。
後、これは一番分かり易いですが分離給油を生かした状態そのままで、タンクに 50:1程度の混合ガソリンを給油してみる、というのも手です。 これで明らかに走行フィーリングが変われば、オイル供給に何かしらのトラブルが ある、と考えても良いでしょう。
> 考えられるとしたら組んだ時のシャフトのガタが全く無い状態ですのでこれが原因かもしれませんね。
オイルポンプ等のトラブルが無い、と割り切った上であれば、原因としてはおっしゃる 通り組み付け時の不味さ、というモノがあるかもしれません(汗
とはいえ、こればかりはクランクケースの左右精度の問題もあるので一概には 言えないのですが、少なくとも「クランクケースを割る前」にはクランクシャフトを 手で動かしてみればまずガタがあるはずです。
ある程度距離を走らせていれば、元々のセリが悪く組み付け直後にクランクシャフトに ガタが無かったとしても、ある程度のガタは出てくる物なので。
仮に、そういったエンジンでクランクケースとクランクシャフトを再利用した上で、 組み付け時に全くクランクシャフトにガタがなく、500〜1000km程度走らせた後でも 全くガタが出ない、となれば致命的にクランクケースが悪いか、もしくは組み立て方が 悪いかのどちらか…あるいは両方でしょう(汗
こちら、Gダッシュ大好きさんは各種工具道具等をお持ちでしょうから、とにかく ジャンクで良いので中古でクランクシャフトに「正常なガタ」のあるエンジン腰下を用い、 パーツは全て再利用でそれを分解しもう一度組み立ててみれば宜しいかとも。
その場合、よほど不味い組み方で無ければ元々あったレベルのクランクシャフトの ガタは出ないとおかしいので、万が一これでギチギチになってしまっている、と いう事であれば残念ながら組み付けの手法に問題がある、という事になって しまいますね(泣
なお、クランクケースにクランクシャフトを組み付けた後では、実走行させていない 状態ではクランクシャフトに全くガタが無くとも、実働時の負荷を掛けて慣らしを 行えば、数十km程度の走行でガタが出る事もあります。
こういうのは機械部品ですから、やはり実働状態での負荷を掛けないときちんと 動作してくれない面もありますから、こういった点のチェックも必要になります。
「組み付け直後にガタが無かった」からといって、実動後にも全く変化なしなのか どうか、といった点は必ずチェックするべきでしょう。 むしろ、これをチェックしていると組み方が悪いのか、はたまたケース精度がハズレで あるのか、の判断も付きやすくなりますよ。
>(もちろんシャフトはスムーズには回転します)
失礼ながら、これは「当たり前」のレベルであり、ガタ云々を差し引いても回転自体が 重めなのであれば、それは組み付け方をミスっている証拠なんですよ。
とはいっても、前述の様に組み立て後にしばらく走らせ、オイルシールの抵抗も 無くなって馴染んできた頃に、腰上やクランクシャフト付随物を全て外し、その上で クランクシャフトを「回転させて」みれば、ガタは無くとも回転そのものはスムーズに なっている事もあります。
それだと実際には「回転」に対してはそれなりに馴染みが出た、という事なのですが こういった点も、実働させた後の状態と比較してみないと判断は難しい、といった点も ありますから、組み付け時「のみ」にこだわりすぎるのも良くは無いのですよね…
> ガタが出る位までセンターを出すのは本当に難しいですね。
こちらは具合によりけりなので一概には言えないのですが、個人的な経験上では 当たり外れはあるにしても、10機違うエンジンを組み付けたらガタが出づらいのは その内1〜2機程度である、といった感じでしょうか。
ガタが全く出ない、と言うのは私個人としても数える程しか経験ありませんが、 難しい作業である、という点に関しては全くその通りですから、練習や見極めも それなりには必要です、とは言えますね。
> > 現在ではこういった技術的なアドバイス、と言いますか出来ない事を手伝って > > 差し上げる、といった事もちょろちょろやってますので何かお困りであれば遠慮なく > > ご相談下さいな。 > 機会があれば是非ともお願いいたします。ねぎのリーダー様の技術を是非とも拝見してみたいです。
ええ、機会があれば是非ともという事でひとつ(汗 とはいっても私、そこまで特殊技能がある訳ではありませんが適当にはやらない、と いうだけなのですけれどね〜
> 最後にお伺いしたいのですがGダッシュのAF18エンジンにライブのアルミを履かせた場合、マフラー寄りにタイヤセンターがずれるのですがこれはこういうものなのでしょうか?純正鉄ホイールでもアルミの時よりマシですが若干マフラー側にずれています。 > 今まで所有してきたGダッシュすべてにそういう傾向がありましたので疑問に思いました。
最後にコチラですが、これはそういう物ですよ。 Gダッシュは元々、リヤホイールが右方向にオフセットされているので正常です。
私も何台も見てきていますが、新車時から全くダメージが無く走行距離も少ない車両でも そうなっているのが定番ですから、これはホンダが元々そういった設計にしている、と 私は解釈していますね。
…これ、あくまで推測ですがGダッシュ自体はサーキット走行をある程度視野に入れた 車両ですから、単純にわずかに左側に曲がりやすくしているのでは、と思っていたり(笑
当時の車体だとかなり細身ですから、アクセルオンの時には右腕側にどうしても少し バランスとしての重心が移動しやすいですし、そういった点の補正としてわずかに リヤタイヤ中心をオフセットしているのでは、とも。
後、それに関してGダッシュのサイドカバーって左側だけ、ステップ部分裏側に金属の 補強が入っていますよね?これもそういった類の補正の一つでは?と個人的には 分析してますよ。
> フレームの後端真ん中で糸に重りを付けて垂らしてセンターを見ていますがこの方法は正しいでしょうか?
ええ、その手法でOKですね。 一応、その手法だと他に曲がりや劣化が無い事が大前提ですが、リヤの泥除けに 誤魔化されずともモロにリヤホイールが偏っているのはそれで充分に判断出来ると 思いますよ。
可能であればステムシャフトを抜き、フレームのステムシャフト穴のど真ん中から 糸を引いてくるのも良いですが、そこまでせずとも普通はOKでしょう。
と言いますか、フレーム曲がりであれば明らかに真っ直ぐ走らなかったり重心が 偏るので乗ったらすぐ分かるかなとも(笑 …ちなみに私の街乗りGダッシュはちょっと曲がってますが_| ̄|○
と、相変わらず長くなってしまいましたが。 当HPのコンテンツ内に記してある事はあくまで基本的な事柄なので、そこからさらに 疑問等が出た場合にはこうやって逐一ご質問されるのが一番良い事なので、 何かあれば遠慮なくツッコミ頂きたく思いますです。
ではでは今回はこの辺りで失礼をば。 管理人でした〜
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