記事No |
: 6971 |
タイトル |
: Re: キタコ 45度 トルクカム 落ち込み症状について |
投稿日 |
: 2016/01/06(Wed) 07:23:46 |
投稿者 |
: ねぎのリーダー@管理人 |
参照先 |
: http://www.neginoleader.com/ |
イナセンさん初めまして。 当HP管理人のねぎのリーダーです。 当HPをご覧頂きありがとうございますです。
さて、イナセンさんは3YK型のJOG-ZRにお乗りと言う事ですが、多少手を入れられて いるのですね。 ウィリーがご趣味とは近年なかなか素敵だと思ったりしますが、私も昔はかなり 練習してたりましたが今ではさっぱりダメです(笑
で、その中でキタコの45°溝トルクカムを用いている、という事ですが、これが不調を きたしている可能性があるのですね。
> 色々調べたら溝のところに手持ちで持っていたモデブリングリスをタップリ塗り込んで組んだんですが、それが合ってなくて動きが悪くなり、この症状になったのかと思って、ヤマハのグリースEを購入し、組み直してみましたが、症状は変わらなかったです
こちら、グリスに関しては正直、銘柄は何でも良いのである程度の量が入っていれば それで致命的なまでの動作不良を起こすことはまずありえないです。 もしグリスの入れ替えで調子が抜群に変わった、となれば、もうすでにトルクカムの溝や 中央筒の内側が磨耗しきっており、メンテしても少し走るとまた同じ症状になりますから パーツそのものの劣化を疑った方が良いでしょう。
トルクカム自体は新品を用いている、という事ですが、ウィリー走行というものは かなり駆動系に負担を掛ける物ですから、間違いなく純正品よりも耐久性の落ちる 社外品トルクカムでは、走行距離の割におかしくなるという事もざらにあるので、 代わりの状態の良いトルクカムがあれば交換し、それで症状が再発するかどうかを 確かめるのがベターです。
なお、トルクカムを換えても駆動径の動作がおかしいまま、となれば、それは トルクカムではなくプーリーそのものが劣化しきっている可能性が高いですね。 他のプーリーがあるなら何でも良いので交換してみるべきでしょう。
正直、プーリーが真っ当な性能を発揮出来るのはかなり短期間なので、実際の 走行レスポンス等を注視してウィリーを行う、といった使い方であれば、 ある程度の劣化でも動作不良と同義になるので、プーリーはかなりの消耗品で ある、といった点も忘れてはいけませんね。
…ウィリーばっかりやってるとリヤタイヤの真ん中も滅茶苦茶速く減りますが(笑
>手でトルクカムをねじって開いたりするとちょっと動きがシブい感じ
こちらはですね、単純に力を掛けずにトルクカム皿を捻っただけで渋い、というのは オイルシールが馴染んでなければそれである程度は正常です。 むしろ、過走行車では逆にシールがすっかすかになっていてするするトルクカムが 動いてしまうこともありますが、そっちの方がすでにおかしいとも言えるので。
なお、ちょっと分かりづらいかもしれませんが、トルクカムの溝の具合、と いうモノは、直線溝タイプであればきちんとした判断方法があります。
まず、ドリブンユニットからクラッチシューを外し、お皿2枚は分解せず、 左手を上向きにして手のひらにお皿を乗せ、がっちりと下側のお皿を握り締めます。
次に、トルクカムのお皿を目一杯開き、「トルクカム皿の手前側」の一点を 右手の指2本でつまんでやり、そのまま「軽く」右側方向へトルクカム皿を 回転させる方向に向けて「引いて」やります。 (※右手はトルクカム皿を「閉じる」方向へ力を掛けては無意味です)
そうすると、トルクカム溝の作用で、「引いた」お皿はするっと閉じていく 方向に動きますが、これをトルクカム皿が閉じきるまで続けてみます。
で、この一連の動作にて、途中でおかしな引っ掛かり等があれば溝もしくは ピンの根元穴、ドリブンフェイス皿の中央部の円筒部が減っている等の 機械的な劣化が考えられますね。 これは両手でお皿を開閉させても何の判断にもなりませんからテストの一環と して参考までにどうぞ。
最後に、これはいつもながらの持論になりますが… 仕様を拝見しますに、40km/h程度からフロントリフトを行う、といった目的で あれば、別にトルクカムは45°の一直線モノでなくとも、ヤマハの純正3AAの トルクカムを用いれば、まだその速度域では普通に45°溝部分を使って走ってます。
なので、キタコトルクカムに変更して明らかにフィーリングが変わった、となれば 今まで使われていたノーマルトルクカムはかなりの劣化があったのでは、と私は 推測したりしますね。
これまた夢を壊す様で申し訳ありませんが、3YK系統の駆動系はノーマルでも かなりの高バランスで出来が良いので、わざわざ社外品を用いるメリットと いう物は無いに等しい、といった点も覚えておかれると宜しいかと思います。
3YK型のZRだとちょっとイマイチですが、他の純正プーリー等を用いたりすれば 十二分なハイバランスを実現出来るので…
かつ、最初から最後まで45°一直線トルクカムの場合、駆動系パーツに与える ストレスはかなり大きくなるので、パーツ的な損耗も極端に大きくなる、と いった点もあわせて記させて頂きますね。
…もう一つだけ補足ですが、駆動系パーツを交換してみて改善が得られない場合、 エンジン腰上のトラブル問題も出ている可能性もあります。 これも当HPでは色々解説していますが、パワーが出る、出ない以前に社外品の ボアアップキットなんて物ははっきり言って安心して使えるものなど無い、と 言っても良いので、そのあたりも懸念の一つでは無いでしょうか。
ではでは、長くなりましたが参考にして頂けますと幸いです。 不明瞭な点があればご指摘下さいませ。 管理人でした。
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