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記事No 7029
タイトル Re^3: ロングクランク42.5mmの導入について・・
投稿日 : 2016/05/13(Fri) 09:49:09
投稿者 ねぎのリーダー@管理人
参照先 http://www.neginoleader.com/
AF35ZX仕様りょうさん毎度でございます〜
GWは色々やっててHP放置になってた管理人です(汗
ではでは早速いつものレスをば。


> ●パワージェットの件は、ホントお世話になりました。
> おかげさまで、現在も問題なく当初の強度を保ち順調に機能しております。

なるほど、パワージェットは無事動作しているのですね。
場所的にアルミ系パテが割れる事は無いとは思いますが…クランクケースの
内部とかだとさすがに時間が経つと剥離も見られるのでチェックは必要です(汗


> ●いやぁ、凄くシビアなものなのですね!

そうですね、この手の数値的な物ってのは2stエンジンとしてのノーマルの
特性、構造を見る段階でも必ず把握しなければいけないので…
シビアといえばシビアなのかもしれませんが、これってばある意味では
「当然」でもあったりしますよ。


> 肩おちとは、上死点の時にシリンダとピストン上部のツラが出ているかって事でしょうか?

ピストン上死点時にピストンの肩部分がシリンダー上面より「突出」している
場合だと「肩」は落ちてないので肩落ちとは呼ばないかもしれませんが(笑
私は便宜上、突出の場合はマイナスいくつの肩落ち値、としていたりしますね。


> ストロークを伸ばせば、確かに排気ポートにタイミングを合わせるか、掃気ポート
> に合わせるか等の矛盾が生じるのでしょうね?

うーん、これはまずストローク値のみを変更すると、まずどちらにも合わないと
いう事が前提になります。
で、その上で排気ポートも掃気ポートも、許容範囲内もしくは自分で狙っている
タイミングに「合わせられる様に調整または加工等を行う」事こそがチューニング
とも言えますね。

仮に、ストローク値を変更した場合に、排気ポートタイミングにはまあ許せる
範囲内であったとしても、掃気ポートタイミングが許容範囲から大きくズレて
しまっては全く意味がないどころかマイナスになるだけです。

掃気ポートタイミングはある程度の許容範囲、というのが確実に存在し、これが
大ハズレになっていると何をやってもノーマルレベルのパワーすら出ないので
優先度を付けるとすれば掃気タイミングの方を優先すべきでしょう。
排気ポートは加工等でもまだ調整は行いやすいですしね。

で、これは言うまでもありませんがノーマルではないピストンやシリンダー等、
社外品のボアアップキット等でも、そのあたりが真っ当になっている物って
そう簡単には存在しないので、前述しましたがノーマルとどう異なっているのか
といった点を見極めないと、ボアアップのみでも正直面白くなくパワーバンドも
存在しない様なエンジンになってしまう、といった点は多々あります…


> ●これは理解できます。
>
> > で、この状態から元々のノーマルストローク状態で排気ポート開口部24mmと
> > 同じタイミング、BBDC84.4°にするには…
>
> ●成るほど!(点火時期の問題?)
> ノーマルと同じBBDC84.4°にする必要があるわけですね!

こちら、点火時期ではありませんよ(汗
BTDCとしているのであれば「びふぉあ・とっぷ・でっどせんたー」なので
「上死点前」でのクランク角度を示しますが、私がポートタイミングとして
記しているのは「BBDC」、すなわち「びふぉあ・ぼとむ・でっどせんたー」に
なりますから、「下死点前」のクランク角度という事です。

下死点を0°とし、そこからクランクシャフトを逆に何度回せばポートが
開口するか、といった事になるので、数値が大きいほどタイミングが
「速い」んですね。
(※ウェブ上ではこれを逆表記されている事もあるので要注意です)

で、「ノーマルと同じBBDC84.4°にする必要がある」とありますが、これは
あくまで「ボアアップキットのみの状態で、ピストン上死点時の肩落ちが0、
かつ排気ポート開口位置がシリンダー上面より24mm」である場合を勝手に
私が計算しただけですから、実際にりょうさんのボアアップエンジン構成にて
「ピストンの肩落ち」がいくらか存在するのであれば排気ポートタイミングは
現在でもBBDC84.4°にはなっていない、といった点をご注意下さい。


> ●確かに言われるように、適当な計算式だったかもしれません。

計算式に関しては是非当サイト内のあれこれを参照して下さいな。
手前味噌で申し訳ありませんが、加味すべき点をきちんと考慮している
真っ当なポートタイミング計算式なので(笑


> ●やはり、ハードル高いですね。
> アルミで0.5〜1mm厚以上にスペーサー作る道具や技術も必要ですし・・・・

こちら、もしもスペーサー等を作成する「必要がある」のであればそれなりに
敷居は高くなりますが、それが必要なのかどうか、を先に見極めないと話が
進まないですよ。

正直、何をどれだけ変更すればバッチリくる、といった事を分析&設計する
方がモノ自体を作成するよりも難易度は高いんです。
図示があればそれに伴ってモノをこしらえる、ってのは設備&技術があれば
そこまで難しくはありませんが、ご自身のエンジンの特性を辻褄あわせを
分析する事の方が大変でしょう。

スペーサーなんてのも、近年であればそこそこ安価で作成出来る所も結構
ありますし、私もそうですがガレージチューナー系の人に依頼してもそこまで
高額にはならないものですしね。

もし、シリンダーのみが1mmとか1.5mmとかのかさ上げで良い、となるので
あれば、純正ベースガスケットを3枚重ねても+1mmにはなりますし、適当な
厚みのあるガスケットシートを用いて自作して重ねてもOKでしょう。

スペーサーをこしらえるにしても、安価で柔軟なアルミ製で構わないのですから
アルミの板を買ってきて下書きを行い、穴を多数開けてから丸棒やすりにて
穴から穴の間を削り取ってやる、といった事を繰り返してやればフリーハンドで
作成を行う事だって可能です。

さすがにハンドドリル程度は必要ですが、自分でやろうと思えばいくらでも手法は
あります、という事で。
…私ならその手間をお金で買って外注した方が良い、と思うフシもありますが(汗


> ●肩落ちの意味を、言われて初めて知りました。
> そらそうですよね、基本のスタート位置が出ていなければダメですね。

そうなんですよね。こういっては何ですが「ピストンの肩落ち」ってのは
車種によっては当然のごとく、社外品だと当たり前の様にあるものなので、
ここをすっ飛ばしたまま「排気ポートは上から何mmです」なんて言っても
正直、何の参考にも分析にもならないんです。

それが通じるのは全く同一の車種で純正パーツも同じエンジンの場合のみで、
チューニング的会話にて「ボアアップキットで排気ポートは上から○mm」と
言っても把握なんて出来ない、と断言しても良いでしょう。

一例で、ライブDio系と3YKのJOG系ってボア40φのコンロッド80mm、ストロークは
コンマ1の差はありますがほぼ同じ動作寸法なんですよね。

が、「ピストンの肩落ち」だとJOG系はノーマルで1mmくらい落ちているので、
こんなパターンでも「排気(掃気)ポートが上から何mm」では全く話が通じない、
という事です(笑


> ●かなり厳しいですね(笑)
> シリンダ容積対シリンダヘッドの容量の計算でしょうか?

圧縮比ですが、これは2stならではの「有効圧縮比」なので、当サイト内の
圧縮比についてのコンテンツを熟読されることをお奨めします。
シリンダー円筒容積÷ヘッド容積ではサービスマニュアル値の数値とはかけ離れて
しまいますし、その解釈は大間違いですんで。

簡単な計算式のみを記せば、ライブDio系のノーマルエンジンにて

A:排気ポート開き始め=シリンダー上面から24.5mmの体積=(4.0/2)2乗×π×2.45=30.77=cc
B:ピストン上死点時のシリンダー上面からの肩落ち量=0.2mm=(4.0/2)2乗×π×0.02=0.25cc
C:ヘッドガスケット内径42φ厚さ0.2o分の体積=(4.2/2)2乗×π×0.02=0.28cc
D:シリンダーヘッド容積=6cc(ノーマル+BR7HS)
E:ピストントップ部体積=1.6cc(ライブDio系純正ピストン実測)

A+C+D−E/B+C+D−E=

30.77cc+0.28cc+6cc-1.6cc/0.25+0.28+6cc-1.6cc=「7.19:1」

こんな感じですね。

…いつものクチですが、社外品ボアアップ等だとこれをちゃんと最初に出して
おかなければ、ノーマルよりも高いのか低いのかすら判別が付きませんから、
きちんとやりたいのであればこれは基本の計測&計算になります、という事で。


> ●考えて行くと確かに複雑すぎますよね。
> 言われるように、こんなの普通に理解して、出来ている人は少ないですね。

そうです、そこまで理解されて楽しくいじくってる方というのはかなり少ないと
いうのが現実なのですが、現在だとまだネット上の情報でも精査されて来て
いると思いますから、昔の様な無茶がまかり通っているばかりではない、と
私は信じておりますよ。

これは複雑過ぎるのではなく、そういった点を全く理解せずともエンジンという
構造体がいじくれる、といった文化的なモノにもかなりの問題がある、と私は
考えていますんで…だからこそこういったご質問等であればこそ適当な答えは
絶対に返したくない、というのが本音ですので_| ̄|○


> ●一言に ロングクランクを入れると言っても、ボアアップキットを入れるのとは
> 訳が違うって事を悟りました。(笑)
> ボアアップでも突き詰めれば、ポートの形状や大きさや角度やタイミングなど
> キリが無い位ありますが、ロンクラは私にはハードル高過ぎますね。
> 他のHPには、簡単な感じで書いてますが、キッチリ説明された所は無かったように
> 思います。

そう思われたのであれば、今回はロングクランクシャフトの投入を見送るのも
英断だと思いますよ。
勝手な分析にて、理解もしないのにやってみてナンボ、ってレベルではまず
成功しないのがこのあたりのチューンなのが現実だったり。
そーいうのはお金と時間を捨てるだけだ、というのを私自身も骨身に染みて
知ってますので(泣


> リーダーの言われるように、20〜30人に一人ってのが現実かも知れません。
> 今回ロングクランクは、諦めます。
> 実に親身に書かれた長文の回答ありがとうございました。

いえいえ、私のアドバイスにてお役に立てて頂ければ幸いですよ。
ただし、こういうのは最初におっしゃられた様に、「具体的に」説明を行うと
なれば二言三言では絶対に無理ですし、言葉悪いですが「手っ取り速い」
手法を求められている、という場合だとそんなのは絶対に不可能です、と
断言出来ますから。

正直、一番手っ取り速いのは私の様なある程度理解してる人間にモノを依頼して
完成させる事なのですが、その場合はそれなりの対価は発生しますので、
ご自身にてもっと学んだ上でやってみたい、という事であれば私からは
アドバイスを惜しむ事はありません、という事でよろしくです。


> もう少し、容量確保したかったのですが丁度良い容器が見つかりませんでした。
> 近所迷惑防止のため、早急に作成しました。
> 何か良いのないですかねぇ〜?

最後にエアクリの件ですが、容量が欲しいとなれば難しい問題ですね(汗
とはいえ、別にライブDio系のノーマルエアクリーナーでもそこまで容量が
おかしいなんて事はありませんので私はあまり気にした事が無いです。

エンジンの「吸う力」が増大すればエアクリの入り口のでかさが変わらなくとも
それなりに大量のエアを吸える様になる、というのがエンジンの基本ですよ。

で、音量を問題にするのであれば…格好は悪いかもしれませんがジャバラの
ダクトをキャブから這わせ、メットインに繋げてみるのはいかがでしょう?
これ、音量はかなり低減出来るので一つの選択肢として提案してみます。


ではでは、いつもながら長くなりましたが今回はこれにて失礼しますね。
管理人でした〜

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