[記事リスト] [返信する] [新着記事] [過去ログ] [ワード検索] [留意事項] [管理用]

記事No 7078
タイトル Re: 油面では無いでしょうか
投稿日 : 2017/01/08(Sun) 15:46:54
投稿者 ねぎのリーダー@管理人
参照先
ばたさん初めまして。
当HP管理人のねぎのリーダーでございます。
当HPをご覧頂きありがとうございますです。
ではでは早速ご質問の方へ。


> AF35前期と最終型を息子の為におこしています。
> 両方共10年ほど屋根下で放置車両でした汗(ワンオーナー車です)

なるほど、AF35ライブDio-ZXをレストア(?)されているのですね。
元が実働でありトラブルの無かった状態であれば、まだなんとかなるとは
思えますので是非やりきって頂きたいですよ。


> 最終型はキャブ清掃ガソリン入れ替えプラグ交換でエンジンかかった為、
> 全バラしてレストア中ですが(純正部品と特殊工具で〇十万円使いました高い(笑))

最終型となれば排ガス規制後モデルかと推測しますが、コチラの場合だと
年式的には2001年が最終型ですし、初期型の最終である96年式と比べれば
まだ5年程度は新しいので、状態としては多少は良いかもしれませんね。

ちなみに純正部品に関しては、2000年あたりのお値段と比較すればおおむね
1.7倍程度の値上がりになっているのですが…ベアリングやオイルシール類は
そこまで上がってはいませんがシリンダーやクランクシャフトは2倍どころでは
ない値上がりとなっているので、発注する場合には現在価格の見積もりを
ちゃんと取らないとコスト面でかなり不味くなってしまいますのでご注意をば(泣


> 前期の方がエンジンかかりません涙
> とりあえず
> キャブO/H(開けてみたらバイスタータの入る銅パイプが抜けてしまった為某オクで仕入れたキャブで)
> 腰上(純正ピストン、リング、サークリップ、交換)
> リードバルブ交換(バルブのみ)
> プラグ新品
> マフラー掃除
> ガソリン入れ替え
> フュエールポンプ、ストレーナー交換(途中に後期のワンウェイバルブ組み込み)

そしてエンジン始動不可能、という事ですがこちらの車両は放置される前には
真っ当に走行出来ていた、といった前提でモノを考えてみます。
が、これ位のメンテナンスであればとりあえずの始動は可能かなと思いますが…


> 火は飛びます。

点火は強い弱いは置いておきまして、あまりにバッテリーが劣化していると
セミDC点火であるライブDio系は点火力がかなり落ちるので注意ですね。
なお、社外品のCDIも基本的には総じて火が弱いので、始動確認の場合には
手持ちがあれば純正CDIを用いる方が安心ではありますよ。


> 圧縮圧力低い(セル6k,キック7.5k)

こちらはホンダ指定のゲージで測られているのでしょうか?
もし激安工具店系統のゲージだと、真っ当なエンジンを計測してもその程度の
数値しか出ませんから、サービスマニュアル通りの数値には絶対に到達せず
高いも低いもありませんのでご注意下さい。

とはいってもホンダ純正ゲージで新車を計測しても10.5kgもは無いのですが…
こういった数値は、状態や固体差等でかなりの計測差が出る2stの場合、手持ちの
ゲージで真っ当な新車状態車両を測った数値を自身の基準値、としておかないと
何の役にも立ちませんので…

そしてDio系の場合、600rpmでの計測となっていますが…これはキックでは
回転数がちと足りず、セルではオーバーになるのでこれもあってちょっと
基準値を役には立てづらい、といった点はご留意下さいな。


> フロート室までガソリンはきてます。
> 燃焼室までガソリンきて無いようです。

一番の問題はコチラの様ですが、状況としてはガソリンタンクのみにガスを
入れてキックorセルを動作させると、燃料ポンプは正常動作した上でフロートに
ある程度はガスが溜まる、といった状態でしょうか。

燃焼室までガスが来ない、というのは何度もキックを踏んだ後にプラグ回りが
全く濡れておらず、かつ腰上をバラしてもガソリンの気配が無い、といった
状態だと推測しますが、一般的にはフロートまでガスが来ているのにキャブから
腰上まで届かない、というのはちょっと珍しいですね…


そういった場合の可能性としては油面でしょうか。
フロートが調整出来るキャブで無いと起こりづらいですが、正/負圧が正常に
発生していたとすればキャブまではガスは汲み上げられます。

が、フロート等の要因にて油面があまりにも低すぎ、ジェット部分までガスが
届いてない、といった可能性が0では無いかなとも。
フロートバルブの組み方に齟齬がある場合、燃料ラインからフロート室内への
ガスも届かない事が多いのですが、たまたま油面が低くなる方向性になって
いるのでは、とも推測出来ますね。


あくまで目視ではありますが、フロートにガスが目一杯溜まる位数十回の
キックを行った上でそーっとフロートを外し、溜まったガスの量を目視して
みてはいかがでしょう?

表現が難しいですが、ガスをこぼさずにフロートを外した場合だとフロートに
なみなみとガスが溜まっている位が正常なので、これが半分以下とかだと
まずジェットに油面が届いておらず負圧でのガスの吸い上げも起こりませんね。


> サービスマニュアル片手に何10年ぶりかに整備してます 汗
> 腰上は2度組み直して確認済み
> キャブとリードバルブ部も確認

腰上の組み付けはガスケットがおもいっきりズレているとかで無い限り、
吸入負圧を生めない程の齟齬があるとは考えられませんし、リードブロックも
ニトリルゴム部分が極度に磨耗していない限りはバルブ交換のみでも始動が
出来ない程にはなりえません。

腰下の負圧のチェックとしては、まずはプラグとマフラーを外した上で、
クランクシャフトをそれなりに強く回転させると、プラグホールからは
ある程度の圧力の噴出を感じるはずです。

これが全く無い、という事であればすでに腰下側での負圧が発生しておらず、
クランクケース周りでの負圧の抜け、すなわちケース合わせ面や左右クランク
オイルシール、そしてオイルポンプ部Oリング等の密閉性に関連する箇所が
トラブっているでしょう。

ただ、その場合であればガソリンタンクからキャブまでガスが汲み上げられる
ハズが無いので、フロートにガスを溜める事自体が不可能になりますが…
もっと分かりやすく、キャブに繋がる燃料ラインを外し、その状態でキックを
連打してホースからガスが出てくるか、の確認も必要でしょうね。
その上で燃焼室までガスが到達しない、という事であればまた別のお話です。


他の可能性としては…キャブ周りのOリング等や初期型であるが故のマニホールド
あたりの紙ガスケット、オイルポンプ固定用のステーの位置の齟齬等があり
キャブから燃焼室までの経路のどこかに大穴が開いているのでは、とも。

圧縮としては正/負圧を生む腰下の1次圧縮と、腰上での2次圧縮双方が
きちんと負圧を生んでいるのかどうかの要因の切り分けを最初に行って
いくべきかと私は考えますね。

かつ、「本当に」キャブのフロートまではガスが来ており、腰上部分までは
到達していないのか、の確認も大切でしょう。



> 腰下までバラして組み直さなくてはだめですか?
> 一応クランクベアリングとクランクオイルシールは注文してあります。

腰下に関しては、少なくとも不動期間が長かったのであればクランクオイル
シール程度は予防の意味も込めて交換しておくのは基本になります。
AF35の最終型とはいっても、すでに16年落ちですしシールのリップ部分の
硬化が進んでいた場合、最初は良くともしばらく経つと一気に割れてきても
おかしくありませんから、ゴム系パーツは全交換する位の勢いは必要ですよ。


なおクランクベアリングに関しては、明確におかしくないのであればわざわざ
腰下を割って交換する意味は小さいですが…「きちんとした作業」が出来る
自信がおありならばやっても良いと思います。

しかし、他コンテンツにも記しておりますがライブDio系、と言いますかホンダ
2stスクーターのクランクシャフトは材質的に他社に比べ柔らかい為、少しでも
取り扱いが不味いとすでに曲がっている可能性がかなり大きいです。

クランクウェブの大端ピンの圧入がズレているのではなく、シャフトが曲がって
いるので修正が出来ませんし、初期型だと純正は廃盤の上に社外品もすでにほぼ
入手は出来ないので、修理そのものが不可能ですから…


走行距離がそこそこ行っており、かつ一度もリフレッシュした事が無いので
あれば、クランクベアリングの交換はやっておいても良いのですが、その場合、
クランクシャフトに曲がりや芯のブレが無いか等をきちんと判断出来ないと
おかしなクランクシャフトを再度組み込んでも、そのせいでクランクベアリング等の
寿命を縮められるだけになるので全くの無駄になります。

サービスマニュアルをお持ちであれば記されていると思いますが、シャフトに
曲がりが無いとして、かつ左側シャフトの真ん中あたりでで15/100程度が
仕様限界とありますが、正直それだけ振れていたら確実に曲がっているレベルですし
末端部でも10/100とかに近い振れがあるなら再利用はしない方が良いですね…

このあたりは他社とは異なり、クランクシャフトの健康状態をきちんと見極めて
いかないと腰下のオーバーホールなんてやっても無駄に等しい、といった点は
留意の上で計画を練って頂きたく思いますです。
もっとはっきり言えば、クランクシャフトがおかしい&中古クランクの見極めを
しない場合はいくらクランクベアリングを交換しても無意味ですので。


> また、バイスターターの入る銅パイプは圧入?出来ないもの何ですか?

これがちと分かりづらいのですが、先端部のニードルと円筒部がはまる、
キャブ側の通路部分がすっぽ抜けている、という事でしょうか?
そうであれば私としてはそこが取れているモノは一度も見た事がありませんし、
パーツ単体で出る物でもないのでキャブを交換した方がベターでしょう。

そもそも、接着ならともかく圧入的な部位が抜けている、という事はすでに
母材側が何らかの原因で広がっているとかの要因が無い限りはありえないので、
力のかかるところではありませんからせめてロックタイト等で接着するといった
手法しか辻褄合わせは無いのでは無いでしょうか。


> 純正部品頼んだバイク屋に聞いて見てもわからないとの事でした汗(中古エンジン載せた方がいいよって言われました←確かに 笑 )

正直、状態を文面で拝見する限りでは私も見当が付きづらいですが(汗
状況を伺う限りでは油面が低すぎる気がする、といった感じですね。
初期型のキャブならばフロート油面の調整は出来るはずですし、何らかの
外力で油面が変わっているのかもしれませんしね。


そして中古エンジンの件ですが…これは残念ですがそのバイク屋さんの
おっしゃる事は正直今の時代では全く通用しません。

最終型でもすでに16年落ち、かつ昔とは違い1万km程度で手放さず何万kmも
乗り潰されることがある上、スポーツグレード車でドライブフェイス等の
脱着も下手に行われている可能性がはるかに高く、かつそれが原因で
クランクシャフトが逝かれていない方が珍しい、といったAF35ライブDio-ZXの
「得体の知れない中古エンジン」なんてアテに出来ると思いますか(笑
自分の物よりマシな保障なんてどこにもありませんのでね。

かつ、ご自身で乗られるのではなく息子さんが乗られるのであれば余計に
安心の出来ない中古エンジンなど用いるべきではないでしょう。

新車から何も触らず5000km程度走行してフロントが潰れて廃車になった、と
いった条件のエンジンでも無ければまず中古でそのまま、かつ安定運用して
いけるモノなんてありえませんし、仮に新車のエンジンがあったとしても
経年劣化によるゴム類の硬化は間違い無く進むものですから。

…気を遣い過ぎ、と思われるかもしれませんがリスクの高いAF35エンジンでは
その「程度」も見極めないで運用するなんてのは今の時代ではもうお金と
時間をドブに捨てるだけ、と言い切っても良いので。


> 何とか自分でおこしたいのです。
> スクーター触るのははじめてなので、

ご自身にて起こしたい、といったお気持ちは良く分かりますが、AF35ライブDio系は
とにかく脆く難しく面倒臭い車種なので、他社種よりも何倍も難易度が高く、かつ
中古の場合は見極めなければいけない点が多岐に渡る、といった点は絶対にお忘れ
なき様お願い致しますね。

他のコンテンツでも記していますが、はっきり申しますとナメてかかっていては
いつまで経っても作業的にはまともに納得出来ない物なのでご留意下さいな。


ではでは、長くなりましたが不明瞭な点があればご指摘下さいませ。
管理人でした〜

- 関連一覧ツリー (■ をクリックするとツリーを一括表示します)


- 返信フォーム (この記事に返信する場合は下記フォームから投稿して下さい)
おなまえ
Eメール
タイトル
メッセージ
参照先
画像UP
暗証キー (英数字で8文字以内)
投稿キー (右画像の数字を入力) 投稿キー


- 投稿記事修正/削除フォーム -
処理 No 暗証キー

- WebForum -