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記事No 7480
タイトル Re: ポート加工失敗?
投稿日 : 2018/02/27(Tue) 08:34:10
投稿者 ねぎのリーダー@管理人
参照先
なべさん初めまして。
当HP管理人のねぎのリーダーです。

さてさて、なべさんは4LV2、という事はアプリオタイプ2にお乗りなのですね。
なかなか希少となってしまった車両ですが、楽しまれている様でなんとなく
嬉しいですよ〜


と、早速本題ですが…

> ジャンク品の4LV2を手に入れ、3YK(規制前ZR)のキャブ、エンジンを積んで、最高速チャレンジをしているのですが、現在の状況は
> ・3YK9あたりのノーマルキャブ
> ・3WFマフラー
> ・3YJプーリー&フェイス
> ・3YJ?クラッチ
> ・ポッシュベルト
> ・NTBノーマルタイプ?フィルター
> ・3KJエアクリダクト
> ・デイトナ赤箱CDI
> ・WR6.5g
> ・台湾2次側ハイギア(13×34)

仕様としては駆動系のあっさりチューンと要所の純正流用、といった感じに
見えますが、エンジン本体はノーマルといった解釈としますね。

駆動系構成に関しては特に問題は無いと思いますが、ベルト寸法が分からないので
ちと憶測ですが、3YJプーリーとフェイスのセット装着であれば、ボスの全長は
シム込みでいくつ位にされていますかね?
これ、あまりにも長すぎたりするとロースピードプーリー気味になるので、いくら
JOG系が元々ハイスピードプーリーだとはいえ、最高速度を求めるのであれば
そのあたりも常識的な構成が必須、となってきますんで。

後センタースプリングの表記がありませんが、これはご存知かとは思いますが
3YK-ZRのノーマル以上に強いものを入れてしまうと覿面に最高速近辺の
加速が鈍りますし、トルクカムもそうなんですが3FCタイプでないと「上」の
伸びは確実に落ちるので、そのあたりも吟味が必要ですね。
ちなみに45→60°溝の3AAトルクカムは私は嫌いです(笑


次に、ファイナルギヤですが台湾製の13x34丁という事ですが…
これは2次側のギヤの圧入交換タイプだと思いますが、これをアプリオ
タイプ2のノーマルに組んだ場合だと

・ノーマル=(48/13)x(36/12) 3.692x3.000=11.076
・ハイギヤ=(48/13)x(34/13) 3.692x2.615=9.654

というファイナルギヤ比となりますが…9.6程度であれば50ccエンジンでも
真っ当なパワーを出せていれば異常にハイギヤすぎるという事は無いですね。
ただし、ノーマルよりパワーダウンしている様な仕様であれば、ファイナル比
9.6だと結構悪影響が出るレベルのギヤ比である、といった点はご留意をば。


> 最後に本題なのですが、調べもせずに、排気ポートのEX側を、ガスケット痕いっぱいまで丸めてしまい(直管状態ではなく、出っ張ってます)、トルクがダウンしてしまったようで、8000回転まで届かず、最高速も70km/hちょい止まりです。
> ニードルのクリップを上から2番目にすると全域でスムーズなんですが、やはり薄く高回転が伸びません。
> ダメもとでクリップを下から2番目にすると、やはり中回転がボコつきますが高回転は伸びるようになり、下りの力を借りて80km/h(8000rpm弱)まではいきますが、平坦になるとスピードダウンします。
> ポートを削ったせいなのか、吸気まわりがドノーマルじゃないからか、やはり薄いようなので、とりあえずメインジェットは注文したのですが、それで良くなればいいのですが、ネットで調べる限りでは、ポート加工が失敗したような気がしています。

次に排気ポートの出口側加工について、ですが…これは出口側をガスケットの
径に拡大している、という事で、残念ですがこれは加工としては最悪手に
なっていますね。

まず、JOG系シリンダーだと排気出口は確かに丸くはなっていませんが、
これはこれでちゃんと意味があり、純正で排気ポート通路が「下向き」傾向に
整形されている点等もふまえ、かつ50ccという排気量を鑑みた場合は
これでも上等で、デメリットもあまり出さないという設計なんですよ。

弊害としてはまさになべさんのおっしゃる通りで、パワーバンド以下の
領域のパワーどころか、パワーバンド内のパワー感までダウンさせてしまう
事が大半であり、まだ3WFマフラー等、常識的な50cc用エキパイの口径である
22〜23φ程度なら良いですが、ガスケット径となると完全にオーバーです。

かつ、削ってしまった排気出口口径が「エキパイ側口径」よりもわずかでも
大きい場合、前述のパワーバンド以下領域のパワーダウンはさらに著しい
物になってしまいますし、走行中に一度回転を落とすとまともには
立ち上がれない程のデチューンになってしまうんですよ。


これ、排気量の元々大きな原付二種のチューンとか、一度アクセル全開で
スタートしたら後は加速のみ、といったSS競技等では採用される事もある
方向性ですが、少なくとも低回転での発進が必須なストリート仕様や、
元々排気量があり、多少「下」が無くなっても排気量で押し切れる様な
仕様ならば話は別ですが、50ccかつノーマルフィーリングベースの仕様では
絶対にやってはいけないんですね…

それを言うなれば、一つの例として3WFエンジン、JOG90は82ccかつ
マフラーは3WF(当然ですが)の仕様ですが、これも排気出口って特に
まん丸になっていたりはしませんし、エキパイ口径を上回る程の開口部
面積がある訳ではありません。

それでもちゃんと、排気量に見合ってはいませんが50ccよりは大きい
エンジンパワーを出していますし、それを鑑みれば出口だけ拡大、
というのが理論的に意味が出ているのか、といった点は判断出来るかと
思います。


はっきり申しますと、「シリンダー内壁面側」の通常の排気ポート加工を
行っていない状態(と解釈します)で、出口側だけがっつり拡大してしまうと
ノーマルよりパワーダウンしてしまう事はほぼ間違いありません。
排気音は大きくなるのでそれで誤魔化されているだけであり、最高速度の
あたりのパワーもファイナル比9.6ハイギヤの走行抵抗に押し負けていて
上手く走れない、といった状態であろう事が推測出来ますね。

かつ、最高速度が70km/hという事で8000rpmまで届かないというのも
気になりますが、おそらく変速回転数は7000rpm台で推移していると
いった感じなら完全にパワー負けしているといった解釈で間違い無いです。

「下り坂」だと異常に最高速度が出る、となればこれは元々のパワーが
出ていない証左であり、残念ながらそのシリンダーではどうあっても
ノーマルパワーを取り戻す事は難しいでしょう。


> そこでですが、次の手として、排気ポートを、思い切ってストレート(直管型)にしてしまうのがいいか、まずEX側に無理やり段をつける形で角をたてて、出っ張りをならして半直管にするのがいいでしょうか?

こちら、画像拝見しましたが現状ではなく違った純正ノーマルシリンダーで
加工するのであれば、特に何もしなくとも排気通路上側は元々そういった形に
なっていますよ。
単純にエキパイ口径の丸との整合性が取れないだけですが、別にこれは
そこまで問題にはならない上、下手を打つと「下」や再加速のレスポンスを
落とす可能性の方がはるかに高いので。

なべさんの加工している部位は「排気ポート」の一部ではありますが、そこは
どちらかというと排気「通路」なので、前述しましたがそこをいじくるのは
シリンダー内壁側の加工修正をきちんと行った上で、さらに違った味付けが
欲しい、といった場合限定なんですね。

ネット上には色々とそういった無茶…と言いますかデメリットを鑑みない
手法もあるかと思いますが、私に言わせれば大半が間違っていますんで。
もっと厳しく言えば、大して高精度の必要がなく、かつ簡単に加工出来る
部位をいじくったところでベターなパワーアップには繋がらない、とも
言えます…


なのでまず、次回加工されるならばセオリー通り、シリンダー内壁面の
排気ポート「弦長」をボア径の70%程度に拡大し、上側の一番高い頂点部の
高さはいじくらずに、一直線にもせず最大弦長部まで緩いRを描く様に
加工するのが一番ベターでしょう。

排気出口に関しては、3YJとか3KJとか4JPの純正50ccシリンダーであるならば
下手に加工しなくとも良いですし、まずは「内壁側」をちゃんと精度を出して
加工して、その上で「出口までの通路」を滑らかに修正してやる、というのが
正解ですんで。
(※排気出口口径>エキパイ口径というのはデメリットしか無いです)


後、キャブセットに関しては残念ですが致命的に排気ポート通路がおかしな
現状ではいくらあれこれやっても徒労にしかならないと思われますよ。
そもそも、純正のニードルクリップをあれこれした程度でそこまで変わって
「しまう」といった状態自体、すでに正常ではありません。

セッティングというのはあくまで「幅」を持たせる為の「調律」であって、
ギリギリのところからひとつ変えたのがベスト、といった解釈ではありません。
その場合だと、何かしらの外的変化要因が起こった場合、やすやすとセットが
崩れてしまいますから安定して運用する事が出来なくなってしまいますんで。


> 色々突っ込みどころはあるかと思いますが、ジャンク品+低予算の為、言い訳は都度させていただきます。

こちらに関しては人それぞれですから、別にどうこうと言うつもりは
ありませんが、性能を求めるとか、目標に達したい、といった面で
あれば、私はあまり歯に衣を着せずにアドバイス致しますのでその点は
ご留意下さいな。


後、ちょうど今依頼品で3WFのシリンダーを加工しているモノが
あるのですが、下に写真をくっつけておきますので参考までにどうぞ。

これは基本的に排気弦長をボア径の70%程度まで広げ、排気タイミングは
それなりに速いですが「上側」は一直線とはせずにピーキーさを防ぎ、
「下半分」もアホみたいに抜かずにストリートでの使い安さと絶対的
ピークパワーを両立した基本仕様になっています。

なお、前述の様にこのシリンダーも、排気出口側はほぼ無加工であり、
写真では分かりづらいかも知れませんが、拡大したシリンダー内壁側の
排気ポートから、「ノーマル排気出口」に向かって修正を入れている
だけになりますね。
なので写真で見る限りはかなり出口に向けて「先細り」に見えますが
本当にベターなのってこういうモノなんです。

なべさんの加工とは正反対ですが、基本はこうです、といった参考に
して頂ければ嬉しいですよ。

なお、重ねて申しますがドッカン出口抜き、という手法はあくまで
排気量のある原付二種もしくは、加速〜だけで他はあまり気にしないと
いった人だけがやるべき事なのでそれもご留意をば。
少なくとも、街乗りやサーキット、ジムカーナ等には不向きであるという
点は注意ですね。


ではでは、長くなりましたが不明瞭な点があれば遠慮なくご指摘下さい。
管理人でした〜


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