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記事No 7944
タイトル Re: 改めて駆動系のお話をば
投稿日 : 2018/12/01(Sat) 23:59:06
投稿者 ねぎのリーダー@管理人
参照先
ライブディオ大好きさんお久しぶりでございます〜
すみませんレスを見落としていましたので改めてレスをば。


> 高速側に変速した際の異音の件ですが、原因は解明できておりません。
> ただし、ドライブ側をノーマルの構成にしてGR1 のベルト新品をいれた際も少し異音のようなものが聞こえ、またライブSTDのベルトGG2-751を使用して、最高速がメーター下にはり付く程度まで伸びるように加工したAF61プーリー(φ88.2 最外周までいかない)でも異音のようなものが聞こえたため、ドライブ側のベルト位置は関係なさそうです。

異音ですが、その実験結果だと確かにドライブ側云々の問題ではなさそうですね。
これ、割り切ってみるならば実走行してエンジンを温めた後、プーリー、WR、ベルトと
ドリブンユニットを全て外し、ランププレート、ボス、ドライブフェイスのみを装着した上で
エンジンをかけ、ある程度空転させてみるのはいかがでしょうか?

駆動する部分は全く存在しないので、この場合はエンジンのみにおける異音の有無の
チェックになります。
もしもこの状態でも異音が聞こえるなら、完全に駆動系ではなくエンジン廻りの問題が
発生していると思われますので是非お試し下さいな。

こういうのは意外と固定観念もあるので、そんな馬鹿な、と思われるかもしれませんが
トラブルシュートの基本はやはり要因の切り分けになりますので…


> ドリブン側が開いた際に音が出ていそうですが、駆動系を開けた状態で空回し確認を実施してドリブン側が可動限界に達していないことは確認しました。

こちら、ドリブン側が限界、とはいってもトルクカムが開ききったならばクラッチシューと
言いますかクラッチプレートの裏側にトルクカムの上面が当たるだけなので、異音が
出てくるというのは私には経験が無いですね。

…なんとなくですが個人的には駆動系依存の異音では無い様な気がしていますよ。


> 少し話がそれるのですが駆動系のセッティングをしていたら新たな問題が発生しまして、
> GAG-J520 673 17.8のベルトでセッティングをしているとトルクカムのへの字付近でのエンジン回転数のドロップが600rpm程度とかなり大きいです。6800rpm程度から6200rpm程度まで落ちるような感じで少々走りずらいです。

全開加速中の変速中のエンジン回転数ドロップは、45→90°のトルクカムであれば
大なり小なり発生する物ではありますが、600rpmはいくらなんでも大きいです。
構造上、エンジンパワーが大きければ45°溝にて最大の作用力を発生している
トルクカム力、と言いますか「ベルトを挟んで張る力」が90°溝になる瞬間に一気に
0になるので、センタースプリング反力のみの支えになる為に結構エンジン回転数の
ドロップは大きくなりますが…少なくともノーマルエンジンパワーでそこまでいく、と
いうのはかなりレアケースです。

ただし、これは大前提として「プーリーやトルクカム等が経年劣化していない、新品と
変わらない動作を行っている場合」のみですから、プーリーの賞味期限が切れていたり
すると一切あてはまらなくなるのでご注意下さい。

当サイト内ちょこちょこ記していますが、プーリー自体は段付きがどうこうではなく、
中央部の油脂含有メタル部分が劣化すると何をどうやっても正常動作せず、熱にも
極度に弱くなります。

街乗りではそこまで気になる事はありませんが、駆動系が温間になった状態で大きく
特性が変わりすぎるとかであればもう完全に駄目ですね。
参考までに、私がプーリーの使用距離として我慢出来るレベルというのは街乗りだと
2〜3000km、サーキットだと500kmが良い所です。

それを超えるとどんどん安定感が無くなり、セッティングなど行っても無意味に等しく
なるので、プーリー本来のランニングコストだけはスクーターいじりの上で絶対に
ケチってはいけない点だったりしますんで。

…正直、ここを気にしないといくら悩んでも時間の無駄である、と断言しても良いでしょう。



> ベルトスリップを疑いましてドライブ側ドリブン側のフェイス面をパーツクリーナーで脱脂、ドライブベルトは中性洗剤のキュキュットで洗浄しましたが改善はしませんでした。
> MASSIMO 668 17.8のベルトに変更すると回転数のドロップが100rpm程度(殆どわからない)に改善したのでベルトが原因ではと考えております。
> J520のベルトが元からこういう仕様であったか、どこかで油脂を付着させたことでこうなったか正直記憶に自信がありません。
> ちなみにセンタースプリングはZX STDの赤い強ばねです。

うーん…他のベルトで状況が変化するならばベルトの問題の可能性もありますが、
よほどおかしなベルト状態で無ければ、ノーマルエンジンパワーあたりの特性では
なかなか変速回転数ドロップの要因にはなりづらいですよ。

ただ、おっしゃる通り油脂類を染みこませてしまったり、どこかのグリス飛散により
ベルト側面を思いっきり油まみれにした経歴がある、となればこの限りでは
ありませんが…

なおセンタースプリングの反力は、こういった場合は回転ドロップを防止するという
方向性においてはほとんど無意味です。
むしろ、反力が強すぎてベルト側圧を無駄にかける結果となってしまう事が多く、
経年劣化等で熱に弱くなっているパーツに対して、余計に負荷を与えてしまう事に
なりがちですね。


> ここで思い出したのがネギさんのページ内で詳細は割愛しますがの下りでクレア弱バネを使用する際は中期型ZXのトルクカムよりも前期型のトルクカムの方が良い。なぜならへの字の折れるポイントが高速側にあるからといった説明があったように思います。ここを私は変速余力が減った高速側でへの字を迎えることで、一気に変速が進もうにも残った変速は幅も少なくセンタースプリングの反発力も強くなっているので回転数のドロップが少ないからかと解釈しました。このような理解で正しいでしょうか。

これはですね、おおむねその解釈でも間違ってはおりませんが補足を少々。
駆動系というものは、まずはトルクカムの溝の特性が最初にありきでして、それに
合わせてプーリーのWRガイドの形状が決められている、と言いますか双方の
特性がきっちり合う様なセッティングになっているんですよ。

WRガイドは大まかに2段階の角度変化があるのですが、緩やかに切り替わって
行くとはいえ、WRガイドの傾斜角の変化はトルクカム溝ほど極端では無いので、
そのあたりをあわせるのはかなり至難のワザだったりするんですよ。

仮に、駆動系構成をノーマルから一切換えず、ベルト長のみを短くしたとすると
WRガイド&トルクカム溝の切り替わりポイント自体が変更されてしまい、WRガイドは
まだトルクカム45°溝に合った作用を行っているのに、トルクカム側はすでに
90°溝の作用になってしまっており、この場合だとノーマル状態よりは変速回転数
ドロップが大きくなる傾向にはなりがちです。

これを、ボス長を変更したりした場合はもっと顕著で、元々メーカー純正にて
WRガイドとトルクカム溝の切り替わりポイントがぴったり合っていた状態を
わざわざ崩してしまう事になりますので…

だからこそ、私はボス長変更というのはそこまで大きく行う事は好みませんし、
加工不可のノーマルレースというステージではやむなく行うのみであって、他の
状況であれば最初から加工修正でそのあたりを狂わせない様にしていきます。

クレアセンタースプリング云々の件はあくまでノーマルレースにおける無茶が
前提ともいうべき解釈ではあるので、分かりづらくて申し訳ありませんが
そのあたりは誤解無き様にお願い致しますね。


> しかし、この解釈をベルト寸法に置き換えるとロングベルトになるほどへの字を迎える際の減速比はハイギア側にいきそうなのでへの字での回転数ドロップが少なくなりそうです。またベルト摩耗で幅が狭くなった場合もへの字を迎える減速比がハイギア側にいきそうなので回転数のドロップが新品のときよりも少なくなるように思います。
> ※トルクカム変更と違ってセンタースプリング反発力upの効果はありませんね

理論上はそうなりがちですが、実際はトルクカム溝の変異があまりに極端な為に
意外とそう上手くは行かない事も多いんですよね…

なので、私はですがこのあたりで悩むのであれば中古をあさって、トルクカム溝の
45°と90°の境目が丸く磨耗しているものを探したりもしますし、企業秘密ですが
トルクカム溝のみを小改良してそのあたりに対処する事も多いです。

これ、純正流用そのままだと45→90°の純正系か、45→60°のクレアカムしか
選べないと言うのがそもそも問題なのであって、加工しても構わないのであれば
いくらでも改善の余地はあります、という点も補足させて頂きますね。

クレアカムではいくらセンタースプリングを弱くしても、後半溝の60°では結構
ロスが大きく、かといってノーマルの90°溝では45°からの切り替わりがかなり
極端すぎる、というどちらも一長一短どころか中途半端とも言えるので。

…これに関してはコンテンツ内でもぼかしていますが、一応の理想形というモノは
存在していますよ。
(Dio系では存在しませんが世の中にはそういった純正採用車種も存在してます)

しかし、プーリー側の特性を考えつつきちんと合わせるにはかなり難易度が高い上、
トルクカム溝は3次元局面なので加工も結構シビアな点もあるので難しいですが。

だからこそ、といっては何ですが、60°溝一直線オンリーの様な溝が一時期は
流行った、というのもあったりしますよ。
エンジンパワーがそれなりにあったり、最高速度を求めない様なステージならば
それでも悪くはありませんが、きちんとしたものを求めていくならばそういった
○°一直線溝というのはプーリー特性を無視した手法である場合もあったり。


とまあ、いつもながら長くなりましたが(汗
異音は置いておきましてもまず、変速回転数のドロップに関してはプーリーを
新品で試してみるのと、前回も記しましたが「完全なるノーマル構成」において
同様の症状が出るのかどうか、を一度は確認しておくべきです。
(※こういった時の為に、新品もしくはテスト専用の良好パーツは用意すべきです)

WRやセンタースプリングは除いても、ノーマルプーリー&36oボス、GAG-751か
J52のノーマルベルトを用い、トルクカムとドリブン皿もノーマルで走ってみて
どれ位変速回転数ドロップするのか、という点を記録して下さいな。

もしもこれでも500rpmとかドロップが起こる、となればそれはほぼ間違いなく
プーリーのメタル劣化&トルクカム溝の辺磨耗が要因かな、となるかと思います。

ではでは、何か不明瞭な点があればまたツッコミ下さいませ。
管理人でした〜

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