ライブディオ大好きさん毎度でございます。 何か例年よりあれこれ忙しい管理人です(泣
さてさて、今日もいつもながらのマニアックなレスを早速。 あ、画像板の方も拝見したのでそれも含めますね。
> ボアアップキットはどれもこれも、とても18ccとは思えないとんでもないパワーアップとか書いていたりしますが、これは規制後ベースであったり、カーボンが溜まったり本来の性能がでていないエンジンでボアアップしたという話かもしれないですね。
50→68tへの変化であれば、さすがに4割近い排気量の増大になって いますから、どんなにダメなボアアップキットでも少しは「パワーバンドより下」の 領域程度は微妙〜に力強くなるものですから、そういった点を体感して 感想を述べている方も多いと思われますね。
ただ、ピークパワーの出る回転数がノーマルより低くなったとか、ボアアップだから オーバーレブが伸びなくなったとかというのはあってはいけないですけれど(笑
もちろん、体感って個人差も大きいですから、「とんでもないパワーアップ」と いうのも、本来の68tを体感した事が無いと比較対象もありませんし、これは 満足度の問題も大きいので人それぞれかなとも… あ、メンテ不足ってのは性能比較という意味では問題外で(略
> T社のキットも純正より少しパワーがあがって、ちょっと違うな?!と思ったりもしましたが、実際に動画を取って確認するとせいぜい1割程度のパワーアップでした。 > > 最初の市販品の例は自分は所有していませんが、ネットで見たところによるD社の特徴に似ている気がしますね。高回転型にすれば、駆動系を弄らなくとも最高速が上がって満足してもらえるという狙いもあるのかなと思ったりします。
実際にはどれくらいのパワーアップなのか、となれば…仮にノーマルの ピークの出るのが7000rpmとし、そこで変速させての加速タイムと、 ボアアップのピークパワー時、これが仮に6000rpmだとしてもその6000rpmで 変速させてノーマルより加速が良ければパワーアップ、と言えるかなと。
おっしゃる様に、それなりのハイポート仕様(とはいっても排気だけ)の特性を 付与した場合だと、パワーバンド内がすっかすかでも一応ノーマル並みの オーバーレブ領域程度までは持って行けるはずですから、それもメーカーの 考えうる「性能向上」には間違いは無いでしょう。
が、何かを犠牲にしすぎても構わない、、というのなら別に排気量を上げなくても 良いのではというツッコミも出てきますが…
> 現在付けているT社ボアアップもはっきりわかる微妙さというわけではなく、純正に交換するとやはり乗りやすいし、純正シリンダーはいろんな局面で無理なくそこそこ速く走れるという感覚があったという感じですね。
このあたり、熱問題や運用上でのリングやピストンの耐久性はともかく、 排気量を上げて余裕のあるエンジンなのにノーマルより乗りづらい、というのは さすがに個人的にはいかがな物かなと思ったりしますね…
とはいえ、このあたりは前述した様に、仮にライブDioベースならば排気タイミングで BBDC84°、掃気でBBDC58°、圧縮比は7.1:1程度で排気ポート弦長は ボア径の70%近く、といった特性を「ボアアップ仕様」にて付与してやれば、そこまで ノーマルフィーリングと激変した様な「パワー特性」にはなりづらいのですけれどもね。 (※とはいってもパワー自体はもりもり出るのでドッカン的な体感は受けます)
このあたり、開発メーカーさんはそれを分かってやっているのか、もしくは全く 何をどうすればノーマル風になるのかわかっていないのか、私には知る由も ありませんけれどもね〜
> 純正ベースのボアアップというのはそこで思いついたことで、まだトライするかわかりませんが、ポート形状を確認すると各ポートが下側にずれそうですね。それと気になったのが第三掃気ポートのみは下がる量が他のポートよりも大幅に多くなりそうです。自分が見た感じだと45φまで加工すると、第三掃気ポートは3mmほど他のポートは1mm以内の移動になりそうです。
そうですね、ポートという物は基本的にシリンダー内壁面から見ると、通路は 「下がって」いく方向性になっているのが基本ですから、開口部の位置そのものは 「加工後に何o位置が変化した、その状態でノーマルピストンのピン上寸法を 基準として、BBDC何°のタイミングになったのか」を出していかないといけません。
と言いますか、これが出来ないとポートタイミングの調整というものは正確には 出来ないですし、ご存じかとは思いますが上から何o、ではピストンのピン上の 寸法等が変わった場合には何も分からなくなってしまいますのでね…
> 自分が所有するキタコのキットを確認するとまるで純正をボアアップしたかのように第三掃気ポートのみポート位置が下側にずれていたので案外致命ではないのか?などとも思ったりもしますが・・・ > この辺りは実際のところどうなのでしょうか?もしわかるようで位したら教えて頂きたいです。
第3掃気ポートですが、これは第1第2と比べると通路が垂直に通っており、最後の 吹き出し角度もかなり急になっている為に、どんな車種でも基本的には第3掃気の 開口タイミングってかなり下がるのが基本なんですよ。
が、これは正直、第3掃気のタイミング修正って難易度としてはかなり易しいと 私は感じていますが、あくまで掃気の順番としては「最後の修正」なので、実は 第3掃気ってかなり滅茶苦茶でも意外と性能や特性への影響って小さいです(笑
むしろ、第1第2の方がタイミングは当然としても、出口付近5oあたりの吹き出し 角度や方向性によってはかなりやばい事にもなりがちなので、言葉を返せば 純正より5oとか広げてボーリングする、というのはそういったリスクもはらむ事を 理解して望まないといけない、とも言えますね。
> 純正ベースのボアアップはいろいろハードルが高そうなのでトライするかわかりませんが、各ポートの修正を行って純正並みに走るようにとなるとどの程度の費用を考えるとよろしいでしょうか。 > 純正ベースボアアップはやはり気になってはいます。
そうですね、これはハードルが高い、と言いますかエンジンとしての各部の役割や 特性変化の為のあれこれといった物をそれなりに把握しており、かつボーリング後の シリンダーにそれをきちんと付与出来る手法も合わせ、両方が出来ないとなかなか 難易度は高いと私は考えていますよ。
とはいっても、ポートタイミングをきちんとクランク角度で算出する事は、各部の パーツ寸法を取った上で逆算すれば出来ますが、これが実際にエンジンを 仮組みし、全円分度器が無いと分からない、といったレベルであれば正直、 ボーリングボアアップを「きちんと」やるには10年早いです(汗
で、一応私の基準ですが、そういった点を全て計測し分析し計算し、ボーリングした シリンダーに対して使用するピストンもふまえ、全てがいける、といった場合での 加工工賃ですが、モノや車種によって異なりますが以下の様な感じでしょうか。 あくまでライブDioベース、かつシリンダーかさ上げ等の追加工が要らない場合です。
・排気ポート加工調整等=6000円〜 ・掃気ポート加工調整等=物によりますが12000円〜 ・ボーリング加工(外注)=10000円〜(※ピストンクリアランスは私が各部分析の上で指定) ・シリンダーヘッド加工調整=6500円〜(※目的の圧縮比を事前に決めておきます) ・各部計測、分析、特性把握、設計等=5000円〜
と、基本はこんな感じでしょうか。もちろんベースとなるピストン代等は勘定に 入っていませんが、シリンダーは焼き付いた物とかサビたゴミとかを加工ベースに するのが定番なので基本タダで(笑
で、実際には手を動かして加工修正するよりも、こういったピストンを使った場合には 合口位置はどうなるのかとか、ピストンクリアランスの決定の為の計測等とか、 ピストンピン上寸法が異なる場合の各ポートタイミング等の算出とか… シリンダーヘッドでの圧縮比計算、スキッシュ周りの設計等、こういった頭脳労働を 行う方がはるかに難易度が高く、どちらかというとそちらの方が「お高い」という ハズなんですが、そんなのを自分が満足するレベルで価格提示していたら誰も 依頼してくれませんからねえ(泣
掃気ポートの修正に関しても、ただアングルリューター等を持っていれば出来ると いうものではなく、それはあくまで「目的の為の道具」の一つであって、仮に道具が あったとしても第1掃気タイミングを2o上に削らないといけない、となったら その時点で「リューター加工のみでは不具合が出る場合がある」といった事も あったりしますんで。
下手にやると悪化しかしないのが第1第2ポートなので、このあたりは知識や情報 のみではなく、計算や経験が必要な場面なので正直、難易度で言えばかなり 難しいどころの騒ぎではない、とも言えますね…
とまあ、こういうのって手法として「ボーリングボアアップ」というものがある、という 事は知られていても、実際にはどんな調整や計測、設計が必要であるのかは 当然ですが「出来る人」や加工のショップさんならタダで大公開する訳は無いので、 余計に何をするのか分かりづらい、というのはありますね。 (※ただしショップ等でも全然分かってない所もある、というのは言うまでも無いかと)
嫌な言い方をすれば、こんなの一から説明しても理解して貰える訳が無いので 黙ってお金を出せ、ならお手伝いして差し上げます、とも言えてしまうのですが…
手法を提示した所で、ではアングルを用いて指定寸法で加工できるのか、とか、 寸法の出せない掃気通路の奥はどんな感じに仕上げるのか、等の現実的な 問題も出ますから、それをやりたいが為に道具を用意し、練習や実験を重ねた上で やっと本番でのトライ&エラーが出来る、なんてところまで到達するのはもはや 一部の変態とか私とかしか居ないでしょう、という事で(爆
ではでは、画像板の方も拝見しましたのでこの↓のツリーにレスをぶら下げて おきますね。 管理人でした〜
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