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記事No 8154
タイトル Re^2: No8149ライブディオ大好きさんへのレス(新規)
投稿日 : 2021/10/16(Sat) 16:53:39
投稿者 ねぎのリーダー@管理人
参照先
ライブディオ大好きさん毎度でございます〜
さてさて今回も詳細なお話をありがとうございます。
…私はこういうの好きなんですがなかなか話をする機会も無いのが現実で(略


> ポートタイミングの計算値のずれですがこれはポートまでの長さを何度も測定していてタイミングの計算に25.5ではなく25.2を使用していたためずれていました。改めてリーダーさんのページを参考にピストンリングを嵌める方法で下位置の土台を作ってから測定すると24.8mmとなりました。
> 肩落ち0.6 排気ポート24.8にてBBDC83.78°ですね。

まず排気ポートタイミングですが、これはおっしゃる通り「開き始め」の位置をどこに
取るか、どこを計測するかでもそれなりの誤差にはなります。
面取り部を勘定に入れるか入れないかでも変わってきますし、私は基本的には
面取りは勘定に入れませんが、リングを用いた計測でも「どれ位を公差とみなすか」に
尽きるかなとも。

実際に、BBDC90°を突破させたいなら面取りを勘定に入れずとも90°を超える
ところに高さを合わせたいですし、クランク角度によっては0.2o程度の高さの
違いが大きな度数の差になる様な領域であればもっと詰めたりもしますね。
が、一番大切なのは何度か測って平均値を取る事、でしょうか。


> しかし排気ポート上側の角度が15°で傾斜していたのでボーリング量の1.5mmからボーリング前の純正状態を計算するとポートの長さは24.4mmとでましたがこれは妥当なものでしょうか。

これはボーリング前の実際の排気ポート高さが、壁面が薄くなる事により角度的に
逆算した、という解釈とさせて頂きます。
が、その逆算で純正値24.4oならば結構高い方かなと。

私自身の経験では、シリンダー全長はあっても0.1〜0.2o程度の純正公差しか
無いので、そこまで大きな影響はありませんが排気ポート開口部までの高さは
下手すると1o以上ありましたから。

FN用途等でもかなりの数の純正品を見ましたが、一番高いので24.3oとか、
平均は25o弱、低いのだと25.5o近い物もあったりしましたね。
(他メーカーや他車種だともっと公差大きいのもあります)

ここで1o違うとタイミングでは数度異なるので結構よろしくないのですが、
鋳物である以上、ある程度の製造公差というのは仕方が無い物です。


> 肩落ち0 排気ポート24.4にてBBDC83.18°でサービスマニュアル記載の81〜82とならず帳尻が合わないなと思っていたところです。

こちらは、私は、ですがGBL純正腰上構成だと、ピストンの肩落ちは0.2oが平均値で
ある、と分析していますね。
もちろん公差によっては0に近い事もありますが、完全な0になっている物は今まで
見た事がありません。

残念ながらこのあたりは、純正構成をいくつも計測して把握してみないとどうしても
分からない事なので、経験値がモノをいう所になってしまいますね…

そして計算値ですが、サービスマニュアル記載値はあくまでメーカー発表の
平均値であるといった事が多い為、何万台もある車両のひとつを分解して計測し
記載値とぴったり(もしくは近似値)という事ってあまり無いんですよ。
前回の圧縮比もそういうものになっています。

前述の通り、排気ポートタイミングやシリンダー全長ですら製造誤差はある程度
存在する為、ポートタイミング自体はそれなりに差が出てきて当然、という事です。

仮に、あまりにも計算値や測定値が間違っているとかであればとんでもない数値が
弾き出されますが、実測値BBDC83°であれば充分に近似値になるかなと。

…余談ですが、これを全円分度器で計測してると上死点をしっかり出す難しさも
絡み、1°単位の正確性なんて絶対無理なので私はお奨めしないワケです(笑
全円分度器とコンプゲージは2stチューンには無くても良いというのは(以下略


そしてまた余談ですが、この時代のホンダ系スクーターの駆動系の変速比って、
大径駆動系車だとどれもこれも「2.850〜0.860」とサービスマニュアルには書かれて
いますよね。(なお4st50t系でも同じ数値)

が、これは絶対にそんな事は無く、実測すると当然のごとく車種によって全然
異なっています。
ベルト寸法がかなり異なるGダッシュとライブDio-ZXが同じ変速比になるなんて
ありえない、というのはお分かりでしょうが…これはホンダの記載値としては
本音をバラしたくない為にあえて統一している、と私は解釈しています。

ヤマハやスズキだとモデルチェンジがあっても細かな数値を変更していますが、
ホンダはそれをやっていないのでカタログスペックだけ見ても意味が無い、と
言う場合も世の中にはある、という…

さすがにエンジンに関してはそこまでぼかしてませんが、それでも本来の特性を
突き止めたい、となれば自身の計測による算出、というものがどうしても必要に
なってしまいます、というのは言うまでも無いかなとも。

きちんと計測が出来るならば、ですが圧縮比にしてもパーツ公差を勘定に入れても
カタログ値を大幅に下回っている、という車種も世の中にはありますのでね。
このあたりは「そういうものだ」と割り切らないとやってられません(泣


> その他、リーダーさんの分析ではポートタイミングが遅い設定だと不具合のリスクが多そうですね。キタコのピストンはトップが低かったのでボーリング加工との相性が良いのかなとか思いました。φ45.5は入手できそうです。

そうですね、ポートタイミングと圧縮比においては最低でもノーマルと同じレベルに
持ってこないと排気量を上げた意味がありませんので…

キタコの45φはボーリング用と言いますか、元々キタコがシリンダー自体を新設計を
行わず、純正コピー風の物を作った上でピストンを設計しているので合致しやすいと
いえばしやすいのですよね。
そもそも、ピン上寸法の高すぎるスーパーDio系のピストンを使う方が難しいので。

ボーリングする場合、下がったポート位置をある程度想像しつつ、その上で使う
ピストンの寸法を鑑み、全体的な仕上がり寸法とポートタイミング等をきっちりと
設計してからやらないとまず上手く行かないですしね。

ストロークアップやロングコンロッドとかだともっと難しくなりますし、現実的には
物理的余裕が無く不可能、という事の方が多いですが…だからこそ「純正準拠」の
数値にまでまずもっていける設計とパーツ選びというのが基本中の基本である、と
いう事になります。
…社外品でまずまともなのがない、というのもこう考えれば当然ではありますが。


いつか記しましたが、45φ程度が純正GBLシリンダーのボーリング仕様としては
耐久性を鑑みた肉厚の残りを考えるとその程度が限界ですからやむなしです。

…某ヤマハ二種シリンダーの様に、元々肉厚が無いのにそれをさらに広げたり
無茶したりしてトラブルが起こりやすい、となってもそりゃそうです、としか
言えませんし、ライブDio系の場合は47φ以上は掃気ポート通路から作り直した
社外品ベースしか選択肢が無いのはそういう事なんですね。


> それと今回の43φピストンは貴重なマフラーを加工しないといけなさそうということで軽く気持ちが萎えています。

うーん…2o程度ならマフラー側の加工でなんとかするべきだと思います。
完全にボルトオン寸法を前提とするならシリンダー自体のかさ上げ等は一切
出来なくなってしまいますし。

なおこの問題はボルトオンで無い物を作ろうとすると絶対に付いて回ります。
前述の様に、ライブDio系だとヘッドの位置変更でエアシュラウド取付位置の
シビアさも出る事がありますから、考える事はいくらでもあったりします。

純正マフラーに関しては、今は昔ほど出回らなくなってしまいましたがそれでも
何万円もするものではありませんから、機会があればストックを手に入れておく方が
ベターかなと思います。

溶接部位の劣化や内部の詰まり等、経年劣化に関してはどうしようも無い事ですし、
純正としてはかなり優秀な純正GBLマフラーは社外コピーでは絶対に代替は
効かないので注意ですね〜


ではでは今回はこれにて失礼をば。
管理人でした〜

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