記事No |
: 62 |
タイトル |
: Re^8: シリンダーやピストンの精度とかの話(笑 |
投稿日 |
: 2011/03/02(Wed) 06:25:34 |
投稿者 |
: ねぎのリーダー@管理人 |
参照先 |
: http://www.neginoleader.com |
nyanta28さん毎度でございます〜
やっぱしこういうお話は楽しいですねえ。 ネタ提供は本当にありがたいですし頭の体操にもなりますんで。
> そこなんです、徐々に負荷を上げていって、300キロぐらいで最大回転数を > 登りで1分程度維持できるぐらいまでなって終了、とならない物が半分ぐらいだった > 事と、無事なものでも完全にホーニングが消えていてピッカピカになっている場所が > ある事、また、その光っている場所がいくつかのシリンダーで同じだった事が > あります。
ホーニング跡が消えているとなればちゃんとそこは「当たっている」といった 解釈は出来ますが、それが酷すぎるとこれまた駄目ですしね。 変な所についてるのも駄目ですし、まずはこの辺の判断から始まるでしょう。
> クリアランス測定にしても、シリンダーの全面を検査するのはかなりむずかしい事、 > そのクリアランスが果たして正しい結果なのか⇒慣らしが終わって全開⇒抱きつきと > ならないか。 > そこのところをなんとかできないかと模索している一環でもあります。
測定に関しては、さすがに全面を正確に検査する事は出来ないですが、 最低でも内壁に対して前後左右とその間、そしてそれをシリンダーの上から下まで 3〜4箇所では私は計測してみますし各々の箇所の平均値も出します。
この位の計測であっても、どこが広いのか狭いのか、縦に歪んでるのか横に 広いのか等の判断は出来ますしね。 まずは、真円度+真直度に「ばらつき」がないかどうかを見極めるのが第一歩だと 思います。 ピストンとのクリアランス数値を考えるのはその後ですね。
> シリンダーに熱入れて枯れさせるというのは、昔読んだ本で、アメ車のブロックやヘッドを > 夏場に鉄板の上に何機もしばらく放置しておき、その中で一番歪の少ないものを > 加工してレース用に使う・・・なんて本当かどうかは分かりませんがそれっぽい事を > 読んだもので。 改造原付はいわばレース用エンジンみたいなもので熱的には厳しいから > 幾ばくかは良い方に作用するかと思ったのです。
なるほど、そういう手法があるんですねえ。 確かに、ある程度熱を入れて構造的変化が少ないのであれば、実際の運用においても 歪みは少なくなる、といった解釈もありかとは思います。
が、実際には各パーツが組まれている上、材質も異なるものがせめぎあっている 場合も多いので、ヘッドもしくはシリンダー単体でそれを行ってもあまり意味は無いのかと 私は考えていますよ。
だから私がボアアップ加工ベースに「こなれた」物を選ぶのも「おまじない」なんですが… 本音は新品だと勿体無いという場合もあ(以下略
> でも、ボアが小さすぎてあまり意味なかったのでしょうか・・・。 > いずれにしても、それ以上に問題な点が多かったのが実際でした。
いや、本当にその歪みの変化等が存在するのであれば、寸法的にモノが 小さい方が余計にその類の変化は顕著に出ないとおかしいのでは? だからこそ、上記のお話のでかいエンジンで効果があっても小さいと無い、というのは おかしいな、と感じた訳ですね。
> まさにその通りで、クリアランスが確保できていないのが一番の問題でした。 > これでは、いくら慣らしをやっても、最後の方で温度が上がって膨張量が多くなってしまうと > 逃げ場がなくなってロックする=抱きつくですね。
そうですね。いくら各部のアタリの場所が正常になったとしても、クリアランス不足では 簡単に抱き付き、焼き付きを引き起こしてしまいますんで。
> 今回のブツでは、ピストントップのクリアランス不足は無かったのですが、ボーリングの > 精度が良くない、、、一口に精度といっても色々な要素がありますが、今回は円筒の内壁の > 真直度が悪いという印象でした。 > 極端に言えば、キャブレターの内径の推移のようなシリンダーですね。 ロアデッキ付近が > 一番すぼまっていたので。
なるほど、ロアが狭まっているというのはそういった意味合いでしたか。 しかし…普通は「下」が広がっている傾向が多いのですけれどね(汗 意図してやってるのかどうかは分かりませんが、変わった一例だなという事で 勉強になりましたよ。
で、真直度が悪いとなれば正直何をやっても駄目、といいますかクリアランスを 考えても意味が無いLVだと私は割り切っています。 もちろん、「そういう形状になっている」事を確かめるのは絶対に必要ですが、 それに対する対策を考えないと使う気にはなれませんしね。
> あと、ピストンのピストンピン穴から1cm程下の部分が一番当たりがキツイ状態でした。 > 何らかの理由でそういう設計になっているのでしょうが、すり合わせをすると > 丁度1周、白いこすれた跡が付きました。これが出っ張っているうちはスムーズに > ピストンが上下しませんでした。(ポートに引っかかる感じ)
ピストンのピン下寸法にもよりけりだと思いますが、一番当たりがきつかったのは スカート下部では無い、と言う事ですよね。 うーむ…それはさすがにおかしいかと思いますが。
そこだけぶっといとなるとシリンダー内に入れても当たりがつくのはその中途半端な 所で正解でしょうが、なんともおかしな寸法ですね…
しかしそれでもピストンだけシリンダーに入れて引っかかるとなれば、洒落にならない 位にギッチギチである、と言う事は現物を見なくても判断出来ます(泣
> 上記の問題をクリアし、加熱状態でスムーズに動く程度までクリアランスを調整する事で > 輸入シリンダーも安心して使えるかな?と思っております。
となれば、ピストンの中間部(?)の一番太い所をスカート部分と同等寸法にまで 手作業で加工し、その上でピストンクリアランスを決めてそのピストンに対していくつ、で ホーニングに出すしか無いでしょうね。
シリンダーがそこまで酷くなく、なおかつ真円、真直度も悪くない上にクリアランスも 適切なのであれば、ピストン側だけ手作業で修正というのもありっちゃありです(笑 ただし作業中に発狂する可能性があるのでお奨めは出来ませんが。
と、この辺は分析した上で内燃機屋送りというのが定番中の定番になりますが、 自身で測定されるのであれば、絶対的寸法はさすがに本職さんが測った物との 差は出るかもしれませんが、ピストンとシリンダーの「寸法差」とかは把握出来ますし。
同一のマイクロメーターを基準としてピストンとシリンダーを測るのであれば、本来の 数値と異なっていたとしても双方の「差」ってのは間違えようがありませんから。
それが出来るだけでもピストンクリアランスは把握出来るので、被測定物の 測定温度管理さえきっちりやっておけば決して無駄にはならない、と私は考えてます。 (さすがにプロ測定とコンマ1単位とかで狂う様であれば問題ですが…)
…私は最終的にプロ任せホーニングするとしても、これこれこういうピストンだから この位のクリアランスにしてくれ、という事が言えないと意味が無い、というスタンスなので。 また言葉が悪いですが、外注ホーニング加工にしても丸投げってのは私はやらないです。
どっかで書いたかと思いますが、私は純正以外のモノだと最初にこういう事を 把握して対策していなければ怖くて使えないタイプですんで(笑 仮にお金やるからポン付けしてくれ、って言われても間違いなくイヤですって言いますね。
社外品とかを測ってたりすると純正というのはいかに誤差がなく精度が良く出来てるか、と 常に実感してますしね…
> 排気ポートからの全開全負荷時の排気ガス温度を測定してみると、だいたいターボ車と > 似たような感じでしたので、排気ポート周りの熱膨張対策は特に必要なようでした。
おっと、これは興味深いですよ。 排気ポートから出る排気ガスの温度を測定されたのですか(汗 ターボ車と同等となればかなりの高温になっているという事ですが、その辺はさすが 2st、って感じですねえ〜
が、強制空冷システムってのは自然空冷とは全く訳が違うので、ちゃんと排気ポートの 周辺に冷却風を送り込む方式になってますしね。 それでも冷却はある程度しか出来ないとはいえ、ピストン上半分の熱膨張にもちゃんと 気を使ってエンジンを「作らないと」駄目ですから…ホントこの辺は面白いです。
> なので、管理人様の指摘の通り、妥協点を何処に置くかがノウハウなのでしょうね。 > そこらへんの経験値を増やしたいものです。
ええ、元からガバガバなモノとかだとそこまで危険性が無いLVなのであればそれで 我慢する事も必要ですし、ピン上ピン下トップ部分が似たり寄ったりの寸法で、 0.1とかだけオーバーサイズになっているピストンを探して掘りなおす、なんてやるのも 時と場合によりけりでしょうし。
そして、これが元々ピストンクリアランスがガバガバ気味のモノでそのまま使うとなれば、 ボア径が小さいと排気ポート弦長は控えめにしたりする事も、首振りによる二次的な トラブルを防ぐ意味では絶対に必須ですし、なんでもかんでも他と同じにして良いのでは 無いという面も色々あるので、考えなければならない事というのはホントたくさんあります。
リングの張力にしてもビンビンなのにいきなり排気弦長75%にして上一直線、ってのも まずやらないですし(笑
私もシビアな事言ってるワリにはその辺の妥協点と言う物はある程度ありますし、 どうしようもないものはどうしようもない、と諦めるコトも必要だと思ってますね。 そしてその境界線を見極める為にはやはり経験も必要かと思いますよ。 …こればっかりは色んなモノを見ないとなかなか難しいですよね。
が、だからこそ「面白い」と私は考えてますよん(笑
と、またぐだぐだと長くなってしまいましたが、本日はこの辺で失礼をば致しますね。 管理人でした〜
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