ともにゃんさん毎度でございます〜 さてさて早速今日もいつものをば。
> 本当は純正がいいんですが、こちらの周りのバイク屋さんは書類の登録書類を見せないと純正部品が注文できないところがほとんどでして.... > 仕方なく多少強化の社外品を買った > といった感じなんです...
あらら、それはなんとも珍しいシステムですね(汗 そういった事情であれば、ウェビック等の通販サイトでの純正部品の注文と いうのも便利かなと思いますよ。 多少割高ではありますが、品番が分かっていれば発注出来るのでそういった ところも利用してみると面白いかなとも。
> やはり当方の機材では切削できないようなところ(掃気)まで加工なされてるんですね > いづれ新品シリンダーを購入して依頼をさせていただくかも知れません > その時はよろしくお願いしますね
加工腰上ですが、これって加工の機材やウデはともかくとしまして、 「何をどうすればどう特性が変えられるのか」を設計していくのが一番 ミソだったりしますね。 もちろん、その設計を加工寸法としてパーツに正確に反映させていくのも 難しいのですが…頭と体のどちらも使うといった感じでしょうか。 とはいってもV100の場合はすでにデータがあるので8割方は手間だけですが(笑 またご興味あればどーぞ。
あ、後ベースとなるパーツは純正品ベースであれば、ド新品よりもある程度 正常に使ってこなれた中古の方が色々と融通の効く面もありますよ。
> 現在ローラーセッティングをしてまして、その際にちょっと疑問な動きをするんです > というのも > 0スタートから回転をあげると6700近くまで回りその後設定してある変速回転数の6000回転まで落ち込み変速をしていく > という動きをするんですよ > その落ち込み時間も1秒にも満たない時間なのですが、これはどうしてこうなるのでしょうか
ふむふむ、かなり微細な点までチェックしつつ乗られているのですね〜 なんとも素敵だと思ったりするのですが、一般的にはそこはあまりは気に ならない所かなとも。
で、これは端的に申しますと「基本的にはそうなるモノ」といった認識でOKに なるのですが、ここは動作原理がややこしいのでざっとだけご説明しますと まず、0スタートからアクセル開度を大きくして発進し、一気に変速回転数まで 持っていった場合、クラッチイン回転数までは一気にエンジン回転が上がりますが クラッチシューというモノは遠心力でアウター内壁に圧着される為、どうしても MT車で言う「半クラッチ」が存在します。
あくまで「0発進」に限って言えばこの半クラはある程度は存在していまして、 純正セッティングではほとんどこれが無い様なセットにされているのですが WR重量を軽くしたりするとこれが覿面に出て来やすくなります。
純正ノーマル状態だと、3000rpm〜あたりでリヤタイヤが動き出し、そのまま 一瞬のみ最小変速状態を維持したまま5000rpm台まで突入、そこからすぐさま 変速が始まるので、実質の半クラ領域というものは一瞬で通り過ぎてしまい 体感しようと思っても体感出来ない位なので。
なので一度、エンジン回転数がオーバーシュートしてからクラッチが完全に ミートしてしまうとそこで一気に変速回転数まで「落ち着く」ので、それは それで別段おかしな症状では無いんですよ。
細かな解説は端折らせて頂きますが、スクーターの駆動系って発進あたりの 動作についてはあらゆる所が相互に干渉してくるので難しいので、あまりに オーバーな領域まで突入していなければ良し、という事で…
> クラッチが完全にミートした後、純正のハイギアードなファイナルの抵抗に負けているのかと思っているのですが、いかがなものでしょうか > 感覚としてはマニュアル車で言うところのクラッチの滑りのような感じなんですよね > ブィーーーンと6700まで上がった後、ぐーっと回転が落ちてから変速をしていくといった感じなんです。 > 6700ですと完全にパワーバンドを超えていてトルク感もなく、随分ロスしてると思われるんですよね
そうですね。これは0発進時に限ってはおっしゃる通りでMT車で言う 半クラッチとほぼ同等の作用になっていまして、逆にアクセルを小さく 開けて発進する場合にはそこまでオーバーシュートはしないはずですよ。
一気に6700rpm程度まで上がる、といった状態であればそんなにおかしくは ありませんし、エンジンと駆動系が完全な温間であればその差はさらに 小さくなるので…だからこそ一般的にはなかなか気にならないと思います、と 記したワケですよ(笑
なお、作用的には「ファイナルのハイギヤ抵抗に負けている」と言いますか 発進時は車体の走行抵抗にエンジンパワーが負けているからこそそうなる、と いった感じでしょうか。 これがエンジンパワーの方が勝っていれば、エンジン回転数は変速回転数を 多少はオーバーしながらも発進しつつフロントリフトしながらどかんと進んで いきますんで(爆
> で、これ直線で再加速をする際には出ないんですよね > 交差点を曲がる際や0スタートから全開の時に出るようで体感としても気持ち悪い感覚なんです
次に、「再加速では出ない」というのは0発進とはまた別問題ですね。 半クラッチ状態というのは基本的に、クラッチシューがアウターから 離れそうになる状態の時にしか起こりえません。
V100の場合だと、あくまでノーマルであればクラッチイン回転数は3000rpmと しまして、これは「クランクシャフトが3000rpm時に、クラッチシューが アウターに接触する」といった解釈になります。
ノーマルの最小変速状態(一番ローギヤ)での最「大」変速比は緒元を参考に すれば「2.256」ですが、実測でもこんなものなので…なのでクランク シャフトが3000rpmの時にはクラッチシュー(ドリブンユニット)そのものは 1329rpmなワケで、走行中に変速した状態で、かつドリブンユニットが コレ以下の回転数にならなければクラッチシューが半クラになる事は物理的に 絶対にありえないんですね。
速度域で言えば、ゆっくり減速して変速を最小状態に戻しつつ、クラッチが 切れてしまう速度となればノーマルならおおよそ26km/h程度になるので、 それ以下もしくはそれに近い速度まで減速した上でアクセルを開けなおした 場合だと前述の半クラ作用が「走行中に」わずかに出てくる事があったり しますよ。
もちろん、車体自体の速度は0ではなく多少は動いているので発進時の様な 過度なオーバーシュートにはなりえませんが、「直線で再加速の場合は出ない」 条件として、そこまで速度が落ちていないか、アクセルOFFの時間が長めに 取られているか、といったところでしょう。
直線での再加速の場合だと、まずクラッチシューの滑りは起こりえないのですが V100の駆動系構成の場合、アクセルOFFの瞬間にかなりシフトアップしています。 これはタコメーターを注視しつつ加速状態からアクセルをOFFにすれば分かると 思いますが、数千回転単位で落ちてますんで(汗
トルクカムが45°溝による一番の弊害ですが、そうなった状態だとかなりの ハイギヤード状態、と言いますかハイスピードプーリー状態から一気に キックダウンを大きく起こさないといけないので、アクセルを全開に開け直して いったとしても、クラッチ滑りではなく変速回転数そのもののオーバーシュートも 起こりづらい、といった感じになっています。
…実際、変速回転数そのものもコーナーの立ち上がり的な状況では多少の オーバーシュートは避けられない場合もあるのですが、これをあまりにも ギリギリに合わせてしまうと、熱が入った時やアクセルを開けるのが遅れた 場合には、変速回転数への復帰までラグが出来てしまうので、これはこれで 問題になってしまうんですよ_| ̄|○
なので、変速回転数への「復帰」に関しては実用面で言えば多少はオーバーな 時もある、位の方がベターですし、これが仮にサーキットを走ったとなれば 逆に変速回転数まで戻せない事も出てくるので。 後、おっしゃる様な状態を冷間気味の状態と温間気味の状態で見比べてみるのも 勉強になるかな、と思ったり思わなかったり(汗
> なにか滑っていて、それが食いつくみたいなトルクの感じで、ベルトなのかクラッチなのか > はたまたトルクカムの働きなのか
最後にコチラですが、ベルトというモノは駆動系の構成がよほど不味くなければ 走行中に滑ったりする事は絶対と言って良い程にありえないです。
悪例としては、ベルト裏側がボスに当たる位までローギヤ傾向にセットして いるとか、ドリブン側でベルトがはみ出しそうになっており、なおかつ トルクカム皿が停車状態ですでに一杯まで閉じているとか、ですね。
こういうのは「実働時」のあれこれを考えていない方向性なので、こういう セットを施した場合には0発進時には見事に半クラが無くなりますが… その分、ベルトが滑りまくって駆動系によろしくありません(笑
クラッチシュー自体は前述の様に、極低速にならなければ走行中には絶対に 切れない物なので、これもそういうモノだと割り切って下さいな。
トルクカムに関しては作用はかなり難解なので、そのメカニズムを理解して 運転しないとなかなか体感とイコールになるモノではありませんが、 スクーターのキモの一つなので是非理解を進められれば、と思いますです。
とまあ…文面でややこしくなりまくりで申し訳ありませんが、不明瞭な 点があればツッコミ下さいませ。 駆動系ってのは難しい、構造がシンプルでも動作原理は難解である、と いった点はご理解頂ければと思いますのでよろしくです。
ではでは今回はコレにて失礼をば。 管理人でした〜
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