記事No |
: 4590 |
タイトル |
: Re: Re: Re: Re: Re: はじめまして |
投稿日 |
: 2024/05/16(Thu) 05:56:06 |
投稿者 |
: ねぎのリーダー@管理人 |
参照先 |
: http://wwwi.netwave.or.jp/~leader/ |
ヤング万さん、初めまして。 当HP管理人のねぎのリーダーでございます。 当HPをご覧頂きありがとうございます。
と、アナログ点火とデジタル点火の違いについてですね?
うーん…これはマッハ豆蔵さんのご説明の補足とさせて頂きますが、ちょっと違う点もあるので 私の意見、としてお読み下さいませ。
まず、
>アナログ点火とデジタル点火の違いは、バッテリを使うか使わないか
残念ながらこの大前提が間違っています。 バッテリー点火、とは「DC12V」による点火、と言う事ですが、デジタル制御方式の CDIだとて、全てがDC点火方式ではありません。 「AC点火のデジタルCDI」と言う物も存在しますよ。 (3YK用等に発売されています)
そもそも、「デジタル」と「アナログ」の違いは、点火時期に対してのCDIのプログラミング&点火マップの コントロール(?)方式の違いを 指すのであって、「点火形式」の違いを指す物では無いコトをご理解下さいませ。
基本的にバッテリーを原動力とする「バッテリー点火」は、ACジェネレーターで発電された AC電流を、レクチファイヤでDC12Vに変換し、そこからバッテリーに給電した上で、CDIに 点火のための電流として送られています。 これは厳密に言えば「AC発電のDC-CDI駆動のバッテリー点火」といった少々理解しにくい システムになりますが、これが一般的にスクーターに用いられる「バッテリー点火」という システムです。
もちろん、これはCDIを駆動させIGコイルに給電するDC12Vバッテリーさえあれば駆動しますが、 実際はバッテリーは無くとも、レクチファイヤがある限りはDC12VがCDI以降に給電されるので、 「バッテリーが無いとエンジンがかからない」と言う事では決してありませんので誤解無き様にお願いしますね。
よくライブの中古車等で始動が困難な場合、バッテリーが死んでいるから点火電圧が足らない、と 言われていますが、レクチファイヤが生きていれば点火する程度の電圧は稼げます。 (逆に、死んでしまったバッテリーが抵抗になり、キックでDC12Vを発電出来ていても、 CDIへ入力される電圧が5V、とかだと点火は難しいです)
ここでマッハ豆蔵さんのおっしゃる、
>まずアナログ点火ですが、発電コイルからの給電になるので回転数によって >電流量が変化します。 >一般的には低回転や高回転での点火が不安定になると言われています。
これを例えに出させて頂きますが。
上記の理由で、「DC式バッテリー点火」ではバッテリーが無くともDC12VがCDIに給電される訳ですが、 バッテリーが無いと、高回転時にはACジェネレーターが非常に高圧の電流を発生させてしまい、 一般的レクチファイヤの限界電圧である14.4Vを超えた電圧がCDIに流れ込んでしまう事があるんです。
すると、バッテリーと言うある意味「制圧・抵抗」になる物体が存在しないコトで、許容範囲以上の 電圧を常に掛けられてしまうCDIはその内パンクしてしまいます…
マッハ豆蔵さんのおっしゃる通り、「AC式マグネット点火」でも同様の症状は起こりますが、 AC点火の場合は「高回転で点火には丁度良い」位の発電電圧がCDIに対してかかる程度なので、 いくら回してもそれが原因でCDI等のパンクが起こりにくく、トラブルも少ないと言うのが 正しい所かと思われますね。 AC-CDIはDC-CDIに比べて入力電圧の許容範囲がかなり大きいっぽいので。 (もちろんACマグネットCDI点火のシステムでも、発電電圧が足らないと高回転が回らなくなったりしますよ)
なので、バッテリーが無くとも点火させる事はライブやリモコン系JOGでは可能です。 が、電装系の安定性が皆無なのと、バッテリーが無いと過電圧になると言う事になります。 (ちなみに本当に100%バッテリー点火のバイクだと、バッテリーが無いと全く火を打ちません)
とまあ、ちょっと横道にそれましたが、まずはデジタルアナログではなく「AC&DC点火」の違いを ご理解頂く事が先決ですので宜しくお願い致しますね。 この辺りをきちんと理解していないと後々こんがらがりますので…
もうこれでデジタルアナログの違いは給電方式にあらず、と言う事はご理解頂けたと思われますので次に。
デジタルとアナログの「CDI」の違いは、前述しました様にCDIそのものの点火マップの組み方、とでも 言いましょうか…私も詳しくは無いのですがマップの「制御方式」の違いだと認識しております。
なので別段アナログCDIだろうがデジタルCDIだろうが、点火時期や特性は設計者の意図に 基づく物であって、デジタルだから点火時期が速い、ってコトではありません。 ただ、アナログで一定進角しか行わないシステムに比べると、10rpm単位でも細かく点火角度を 指定出来るので、高回転で一気に進角させ、望むチャンバーや排気タイミングにきっちり 合わせた点火時期を得られやすくなおかつ進角しすぎる部分の制御も容易、という意味合いが大きいかとも。
>またよくレースではアナログ点火の方がいいと聞くのですが本当ですか??
これは…おそらく一昔前のNSR50のCDI等の件をおっしゃっているのだと思いますが。 あれも上記と同等の理由で、デジタルやDC-CDIが悪い訳ではありませんよ。 M12クラス等のNSRの場合に限って言いますと、バッテリー&DC点火仕様のフライホイールが軽すぎ、 エンジン特性と全く合わずに速くならない、というだけです。
FNクラスのマシンですと、これも別段デジタルCDIを使わないのでは無く、一般市販されている デジタルCDIの点火特性がFNマシンには全く持って不向きだからなのです。 これは好みもありますが、レースの世界ではCDIとは特性で選ぶものであり、「アナログ」「デジタル」といった くくりで選ぶものではないコトをご理解下さいね。
>インナーローターとアウターローターの事なのですが、 >なぜインナーローターはバッテリが充電できないのが多いいのでしょうか??
さすがにこれは…ちょっときついかと思いますが、ここまでくると多少はお勉強して頂きたい、と言わせて頂きます。 質問攻めにしかなってませんよ?
そもそも、「一般的なインナーローター」の定義だと、最低限の発電こそ行えど、バッテリーが 充電出来る「チャージコイル」は存在しません。
「インナーローター」は基本的にローターの「外側」で発電&パルスを取る物であり、コイル等が フライホイールの「中に入っている」物は「アウター」側に回転物があるので「アウターローター」なんです。
ローターの内部にはコイルも何も無いインナーローターは、発電こそすれ充電が行える程の 発電コイルを搭載せずに、最低限の機能のみを搭載しているので「バッテリーに充電」は 出来ないのですよ。
ちなみにインナーローターでも、主に発電出来るのはAC電源であり、AC駆動するCDIを最低限度に 駆動するだけしか「発電」は行いません。
無論、レクチファイヤを搭載しDC12Vに整流した上でバッテリーに落とすのならば充電も 不可能ではありませんが、絶対的な発電量が足らないのでそれは無理ですので…
ノーマルだと大多数の車両は「ライティングコイル(発電)」と「チャージングコイル(充電)」の 2系統のコイルがあるんですよ。 片方が主に充電、もう片方はライト等の走行中の電力と言う2つの役目を分担しているので、 インナーローター程度の「発電量」ではプラグ&CDIを駆動させる位しか無いのです。
>なぜインナーローターはバッテリが充電できないのが多いいのでしょうか??
…「充電が出来るインナーローター」なんて私聞いた事がありませんよ?
最後に… 私のSS用Gダッシュのご説明で少し語弊があるやもしれませんのでココを見られている皆様方にそれの補足をば。
「デジタルインナーローター」と解説した点火系システムですが、あれはどう見ても フライホイールがくっついてますね。 ですが、文字通り「デジタル」な点火仕様で「アウターローター(フライホイール)」の中身には 何も入っていませんので。 外側でパルスを拾っているだけなので「インナーローター」と表記しているのでよろしくです。
と、無茶苦茶長くなってしまいましたが、最初に申しました通り、デジタル&アナログの 違いは何処にあるのか、をご理解頂ければ幸いです。 バッテリーは関係ありませんので。
ではでは不明瞭な所があればご指摘下さいね。 管理人でした。
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