けんさん初めまして。 当HP管理人のねぎのリーダーです。 HP参考にして頂けている様で嬉しいですよ。 どうもありがとうございますです。
ではでは早速ご質問の方へ。
> 今回、97年式ライブディオZXのミッションからのオイル漏れにて悩んでおり質問をさせて頂きます。 > 車体に関しては駆動系を含めたエンジン回りは純正部品しか使用しておらず、タイヤをMBR740に変更している程度です。 > 昨年末に車両のリフレッシュのため、腰下のOHを実施しました。 > その際にミッション周りのベアリング、オイルシールも新品に交換を実施し、作業自体は特に問題なく終了しました。
ライブDio-ZXの腰下とギヤ周りをO/Hされたのですね。 年式的にもヤレているはずですから一度はリフレッシュしておくと それなりに延命出来ると思いますです。
> しかし、100km程度の慣らしを終えた頃に、車両を停めている場所でミッション下付近にオイル漏れの形跡があるのに気付きました。 > 最初はミッションのケースカバー合わせ目からを疑い、一度オイルストーンにて面出し、ガスケットを再度新品交換し様子を見ました。 > 数日後確認してみましたが、走行させた直後にはオイル滲みなどが無いのですが、一晩明けると、リヤブレーキワイヤーのホルダー穴?下あたりにオイルが溜まっておりました。
ふむふむ…ギヤボックスからのオイル漏れですね。 ギヤカバー部とクランクケース部の合わせ面からの漏れでは無いと いった感じですが、合わせ面には紙ガスケットもありますから よほど深い傷があったり、締結ボルトの締め付けバランスの不備が 無ければ通常は合わせ面からのオイル漏れはまず無いでしょう。
> ケースとカバーの合わせ面を指で触ってみてもオイルのベタ付き感がなく、再度ミッションを開けて確認してみたところ、ベアリングとオイルシールの間の穴からミッション室内のオイルが漏れているのでは?と思っております。 > (パーツクリーナを使用して、その穴からパーツクリーナを吹きかけると近い位置に垂れていくため) >
なるほど、漏れている箇所はオイル逃がしの穴から、という事で。 ご存知かとは思いますが、この穴は万が一何かのトラブルにおいて ギヤオイルがリヤアクスルシールから漏れ出た場合、ブレーキ シュー側へ出ていかない様に途中で外部へ逃がす為の穴になって いるのですが、まさにその機能が正常に働いている、といった 状態になっていますね。
> 年末に交換しましたが、オイルシールとファイナルギヤーの隙間から漏れているのかもしれないと、再度オイルシールも新品に交換を実施しましたがやはりブレーキワイヤーのホルダー穴下あたりにオイルが溜まってしまいます。
オイルシールそのものの不具合であるならば、新品交換すればまず 収まるかとは思えるのですがそれでも再発、となれば問題ですね。
こういった場合は…まず、オイルシールの挿入位置ですがこれは サービスマニュアルには指定が無く、元々入っていた位置をアテに して作業するしか手段がありません。
(…余談ですがサービスマニュアルを見ずにクランクオイルシールを 入れ、位置が浅すぎてすっかすかになってるのもたまーに見ました)
オイルシールを入れる部分にはある程度面取り加工がありますが、 これはツライチではなくちょっと奥まで入れないと駄目です。 前述の、オイル逃がし穴をシールの「奥側」が塞ぐか塞がないか、と いったところまで入れなければいけませんがまずはこれが一つ。
アクスルシャフトのリップの磨耗位置を計測し、ベアリング側の ドンツキの位置から逆算してシールのリップが本来どこの位置に 居るのか、を確認しても良いでしょう。
次に、シールそのものは新品でも、アクスルシャフト側に「痩せ」が 起こっていた場合だと、シールのリップとの摺動で長期にわたって 磨耗したシャフトの凹み部分よりオイルが漏れる可能性もあります。
これはシャフト側のオイルシールリップ接触部のアタリを確認すれば 分かりますが、あまりにも痩せている場合にはシールの挿入位置を 多少ずらすか、シャフトを良品に交換してみるのが良いでしょう。
これは古い車両だとクランクシャフト+クランクオイルシールでも 起こっている場合があるので、このあたりの経年劣化もO/H時には チェックが必要ですね。
もう一つ、これは無いと思いますがDio系のギヤボックスの場合、 先にベアリングを挿入し、次にオイルシールの挿入といった手順に なりますが、このオイルシールの「向き」ですね。
…ギヤカバー側から見るとシールは「裏返し」になっていないと いけないのですが、これが逆だとオイルの入っている側にシールの 効果が無くなるので全く意味がありません。 無いとは思いますが、勘違いしやすい箇所なので可能性としてひとつ(汗
最後に、これは私自身ほぼ見た事は無いのですが、シール挿入外周部に 大きな傷が入っており、ギヤボックス部からシールとベアリング間の 空間まで貫通している、といったトラブルでしょうか。
とはいっても、高圧がかかる箇所ではないので傷があったとしても 液体ガスケット+一晩硬化でカバー出来る範囲ではありますが、 万が一こうなっていて気になるのであればクランクケースを交換して いくしか対処法がありませんね…
> (念のため補足をしますが、2ストオイルタンク、オイルポンプ近辺からのオイル漏れはありません)
腰下までご自身でメンテされる方ならさすがにこういったイージー ミスは無いと思います。 ギヤオイルとミッションオイルの区別は付くと思いますし、各部が げっちょげちょに汚れているエンジンで無い限りは問題なく判断が 出来るでしょうしね。
> 私が次にやるとすれば、ミッションカバーとファイナルギヤを交換するくらいしか検討がつきません。。どうか知恵をお貸しください。 > 宜しくお願いします。
いくつかトラブルシュートを行ってみましたが、大抵はどれかには 当てはまるかと思いますよ。 漏れている箇所は確実にオイル逃がし穴なのであれば、ギヤカバーを 交換しても意味はありませんしね。
むしろ、合わせ面から一晩でオイル溜りが出来る程に漏れがあるので あれば、走行直後に各所にオイルが飛び散っていて大変な事になって いますんで(汗
なので、オイル逃がし穴からの漏れだと限定すれば、シール周りの 不具合しか構造的には考えられませんので、そのあたりをもう一度 チェックしてみると宜しいかなと思われますよ。
後、追加になりますがダウエルピンでしょうか。 これは再利用するものではありませんし、新品を入れるとしても 穴側が汚れていたりすると意外と合わせ面の精度って出てこないので、 合わせ面側、かつ傷以外の要因を考えるならそのあたりにもわずかな 可能性があるでしょうね。
…最悪なのはクランクケース側の傷や磨耗ですが、その場合オイル シールの外周にある程度液体ガスケットを塗ってみるのも一つの 保険にはなりますんで、それも手ではあると言う事で(汗
ではでは、長くなりましたが参考にして頂ければ幸いです。 管理人でした〜
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